混沌と共に

五月雨の気まぐれ

第1話  プロローグ

私は、平凡な人間だと思う。

魔法だとか、悪魔だとか、天使だとか、映画に出てきそうなエイリアンとかが当たり前のように存在するこの世界では。


私が生まれる少し前に宇宙人がこの世界に来て以来、世界は混沌へと生まれ変わったのである。

それが私の学んだ歴史だ。

それを怖いと思う人も多く異種族の移住を規制しろとの声も当然のようにある。


でも、私はそうは思わない。

色んな人、と言っていいのかは定かではないが、そんな人達と関わることができるのが面白いのだ。


私はそんな世界のとある街にあるブックカフェの隣で、雑貨屋を営んでいる。

雑貨屋と言ってもただの雑貨屋ではない。

様々な物があるのだ。

お金はいらない。

いるのはそれ相応の物だけ。

要するに、物々交換だ。


それを高いと思うお客様もいれば安く思うお客様もいる。


さて、今日も仕事をしようかと店の扉にかけたプレートをひっくり返す。


昔助けた、優しい悪魔にもう一度出会うことを夢見て。


ここから、私の一日が始まる。


騒がしくも楽しい、私の日常が。





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