02 芽ヶ崎とーわ



 学校に登校すると、同じクラスの男子生徒が挨拶してきた。

 彼の名前は、茅ケ崎とーわ。


 子供の頃からずっと一緒に育ってきた、私の気になる人。


 私は、できるだけ可愛い笑顔をつくって、挨拶する。

 この一瞬にこめる私の努力なんて、きっととーわは気づいてないだろうけど。


「おはよっ、とーわ。今日も良い天気だね!」

「おう、梨花。相変わらず元気だな」

「とーわは眠そうだね」


 とーわは重たい瞼をこすって、机につっぷしそうになっていた。

 会話をしている最中にも、時折頭が揺れている。


「また、遅くまで起きてゲームしてたんでしょ」

「あたり。よく分かったな」

「そんなの分かるに決まってるもん。どれだけ一緒にいると思ってるの?」

「確かにな。子供の頃から一緒だもんな俺ら」


 とーわと一緒にいられるのは嬉しい。

 すごく嬉しいんだけど。

 ずっと一緒にいるせいで、恋の相手として認識してもらえないんだよね。


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