9 トンボ飛んでいった
店の中に墨色の
トンボ迷い込んで
窓へ飛びかかり
ぶつかり
疲れ、留まり
また羽ばたいて挑む
ふたつの手で
まるく包み込めば
手の中のトンボ
ふしぎと大人しくしてる
外で手を開くと
墨が空に走る
トンボ飛んでいった
緑燃える森に
トンボ飛んでいった
飛べぬ僕のぶんまで
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