第34話 おまえのその薄っぺらい正論は単なる言い訳だろ?(2)

 ある日、私は先輩女子社員と事務局長に居酒屋に呼ばれました。「暑気払い」というのは名ばかりで、要はお説教です。私が声を大にしてA子の不注意をしたことが問題になりました。私は入社したばかりだったので、指摘事項を飲み込み「大人」の行動をすると伝えました。しかし、今になって考えなおすと確かに声は大きかったのは認めますが、「自分は間違ったことを言ったんだろうか?」と思います。しかもA子は自分が指摘した後、体調が悪いとかで早退しています。

 飲み会の翌日の朝、私はA子に謝罪して行動を改め協力すると伝えました。その時点ではA子は多少素直になっていました。しばらくして、私がたまたま始業時間ギリギリに出社しました。それまでは15分前に来て仕事の準備をしていたことはA子も承知していました。それが新人の勤めだから当たり前と言ってしまえばそうですが、たかが一回遅れそうになっただけで「もう少し早く来てください」とのお言葉。「ああ、あなたは偉いですからね。ですけど、自分の出社時間が早ければわかるけど、たかが一回で言わなくたって。常習犯に言ってくださいよ」と思い、舌打ちしてやりました。その翌日、A子はまあまあギリギリに出社したのに「遅れました~」で済ませています。人のことは言えるのに自分はいいのかい?と思わず言いそうになりましたがもめるので止めておきました。

 A子は仕事上、自分の割が合わないことを嫌う性格のようで、「掃除を皆でするが自分ばかりやってるようなので中止にした」という過去があるそうです。はっきり言って意味が分かりません。本来掃除なんてものは持ち分なんてないし、仕事場が汚れていれば自発的に掃除するのは普通じゃないのか?という感想を持っていました。

 ある時、職場の閉めをするとき、みんなでやることは承知で、毎回積極的にしていました。その時たまたま時間が押して連絡待ちしていました。ですので、閉所作業もしていません。するとA子が「この仕事を最後に残しておいたのでやってください。みんなで手分けしてやってるんです」とのお言葉。ああそうですか、と私は渋々その仕事に取り掛かりました。その間に待っていたメールが届いたのですが、私は閉所作業をしているので気づきませんでした。そしてその相手がメール見てるのか?的なお知らせが来ました。A子は「メール来てますよ。返事していないようですけど」

「はぁ?そのメール待ってて閉所作業してないのくらい、優秀なあなたならわかるでしょうよ。じゃあ、なんで閉所作業しないか聞かないのか?いちいちメール待ってますなんて断りがいるのか?そんなに閉所作業をみんなでやることが重要か?」という気持ちが沸き上がってきました。

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