第15話「空白の30年間」が産んだ今の日本

日本の現状を俯瞰すると、諸外国と比べてあらゆる点で問題が顕著になっています。新型コロナのワクチン接種の対応然りです。それらは「空白の30年間」が産んだ「負の遺産」だと考えています。

では、それが如何にして産まれたか?それは「学歴偏重社会」ではないかと思っています。

確かに「学を積む」事は良い事です。ですが、学問の成績が「良い大学に入って良い会社に入る」と言う「就職・社会参加の手段化」された事ではないでしょうか。

そもそも「良い大学」「良い会社」の「良い」って何なんでしょうか?受験の難関大学、偏差値の高い大学が「良い」大学なのでしょうか?それこそ親御さんや自分自身が選択した社会的に「良い」とされている大学の事なのでしょう。就職先も同様です。それは個人の自由なのでとやかく述べる事はしませんが、その「良い」とされるところを選択し、その人たちが中心となって30年間経過して作られたのが現在の日本の現状です。私もそれの30年間に生きていた訳ですので、加担した一人として偉そうなことは言えません。

その顕著な例の一つは、検察のお偉いさんが「麻雀賭博」をしていたと言う事実です。かく言う私も賭け麻雀をしたことはあります。私も良くないというか法に触れる事であることは承知でやっている訳で、検察の方の行為それ自体を責める事など出来ません。肝は「人の一生を左右する判断を下す立場の人間」が「小学生もわかるようないけない事」を「知っててやっている」という事です。そう言う「世の中で偉い」と思われている人は大抵「社会で良い」と思われている「高学歴な大学」の卒業生だったりします。当然、そうでない方が多いとは思います。

私は逆に「かわいそう」だと思いました。恐らくその方は時間を削って「良い」大学に受かるために勉強して資格を取り、その地位を築いたのでしょう。それが瞬く間に崩れ去って一生そのことを言われるのでしょう。

自分だけならまだしも「その大学の関係者」がそういう目で見られる可能性もあり迷惑を被ることもあるやもしれません。

それよりもなお、その検事に「自分の一生に関わる判断を下された」人はどう思うのでしょうか。犯罪は当たり前ですが悪い事です。ですが、この検事は容疑者から被告にしてしまう「カギ」を握る権限を持っているわけです。その立場にいる人間が「小学生でも悪いと分かる」ような事を「知ってて」やっているのです。そんな人物に将来の身の振り方を決められたとしたら微妙な心持ちになるのではないでしょうか。勉強はできるのに社会的な善悪がわからないという事に首をかしげてしまいます。

それは「勉強さえうまくやれば社会的な身分が保証される」事態に甘んじて「社会的に偉いんだから何をしてもいいんだろう」という勘違いから生まれる「社会的な善悪の認識能力(モラル)の低さ」から来るのだと思います。勉強ばかりしていれば社会に触れる機会が減る可能性が高いので、社会性が低いのは当然なのかも知れません。しかし、最近は「え~」みたいな事が起こりすぎです。

もう一つ挙げるとすれば、とある国会議員がこのコロナ禍で銀座で飲んでいたという事もありました。仮にも国民の代表なのに「国税」を使っていい思いをしていたのです。「はぁ~?」ですよね。

国民は耐えて外出を控えているというのに「国会議員だから」許されるのでしょうか?理解に苦しみます。その方も「社会的に高学歴の良い大学」のご出身なのでしょう。国民の代表に選ばれただけで「何をしてもいい」と勘違いしているのかと疑ってしまいます。終いには平謝りしてドロンです。「なんだそりゃ?!」となりますよね。

それは国民だって「おまえらがそうならうちらもそうするわ」となるのは自然かもしれません。それは国民のささやかな「レジスタンス」なのでしょう。(でもコロナが拡散するので皆さんで頑張るしかないですね)

こう思うと社会的に「良い」大学、「良い」職業というは必ずともそうではない、逆に「一般国民よりモラルが低い人が選択している」可能性があると言わざるを得ません。こういった事が30年間の「負の遺産」が出来上がった温床の一因になったのではないのでしょうか。

しかし過ぎた時間は取り戻せないので、これからどうするかを考えないとなりません。新型コロナ禍で停滞ムードが否めませんが、この際停滞しているのを逆手にとって思い切って色々な事にチャレンジするいい機会だと思います。実際、そうやって成功の糸口を掴んだ人、企業も出始めています。今がチャンスなのかもしれません。視点を変えれば「だめでもともと」が多少緩んでいる気運です。だから学歴云々の影響が少し低下しているのかも知れません。それが本来の姿なのでしょう。

我々、そして若い人がどんどんチャレンジして日本全体を押し上げましょう。そうしないと成長はありません。「現状維持」は聞こえはいいですが「成長の余地が無い」と一緒です。コロナ禍も克服できれば必ず道は開けるはずと私は信じています。

その間に「自力」と「他人・弱者を思いやる心とモラル」を身につけて「本来の勉強」(社会勉強や実学)をするいい機会です。そうすれば社会全体も必ずやいい方向に向かうはずです。

私事ですが、現状の旗色は悪いものの「目標」に向かって地味に邁進中です。もし「目標」に未達でも仕方ないです。ただ自分で決めたことなので後悔の無い様に出来る事はやっています。それでいいんじゃないかと今は考えています。

皆で失敗を恐れず、トライアンドエラーで頑張っていきましょう。

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