第9話 ピカピカ新品になったサラ

 ここは、私の工房兼寝室。


 この部屋が、私の仕事部屋と遊び部屋を兼ねている、宝箱のようなお部屋で、殆ど暇さえあれば私が錬金術をして遊んでいる場所。


 ここには、色々高度な錬金作業具が、所狭しを置かれているんだ。


 まずは、マリティカ女神を拝み倒して作ってもらった──神水晶の錬金釜。


 配合が人目で計測できる──錬金計測器『ケイソクン』。


 マリティカ様に、手伝ってもらいながら素材の神鑑定が出来るようにしてもらって作成した──神鑑定釜『シンカンカクン』。


 壁際に色々設置してある魔導機器も私の作品で、素材を分解して粉末状にする大きなお櫃のような──錬金機器『ソリャ─ブンカイジャ─』。


 その横にあるのも私が作成した作品で、粉末状にした素材を、粘液状の液化して素材の持つ効力を凝縮ぎょうしゅくする──中鍋の錬金機器『ソリャ─ギョウシュクジャ─』。


 他にもね、様々な錬金技術の粋を集めた、機能的な私の自慢の錬金機器が、沢山置いてあるんだよ。


 なんでこの場所に、今私が居るかというと....。


 例えとして、アホの子の私が考えつく、わかりやすいだろうと思う例を挙げてみるよ。


 良─く、聞いておいてちょうだいね。


 それはね─、何故か行き成りスゾロクをさせられるんだよ。


 そんで、振られたサイコロの数だけ進むと、そのマスの目が『最初の場所に戻れ』と記述されてる。


 私は仕様がなくそのマスの目の通りに、一番最初にいた工房部屋に戻された訳なんだよ。


 わかるかな─?


 わかるわけないよね。


 御免ね。アホの子で。へにゅん。


 まあ、アホな例えは取り敢えず、横に置いておいて、そのまま話を進めていくとね....。


 本来はサラの実家に詳しい話を聞きに行く向かう予定だったんだ。


だけど、その後の風呂場内では、普段は、殆ど私の前に姿を現れないマリティカ様だったんだけど、この日だけは何故か違っていて.....神水でお姿を形作られたマリティカ様が私の掛け声と共に顕現されてしまったから、急遽、サラを題材にした神水実験作業が始まったんだよ。


 そしたらさ、何だか思いのほか、マリティカ様と色々面白く盛り上がってしまっちゃって.....。


 そのまま、お風呂場であれやこれやとマリティカ様と、サラを題材にして遊んでいたら....。


 なんだか、神秘的な演出が──見たことの無い綺麗な光の乱舞から始まって....。


 淡い光が、雪のようにふわふわと舞い散り始めて....少しずつ視界が、見えにくくなってくるの。


 周りをキョロキョロ見渡してると──天井部分から薄らと何かが降りてきたんだよ。


 周りの景色が良く見えなくて、状況がはっきりわからないから、目を凝らしてしっかり見てると──あの神物の御姿が次第に形を伴って、鮮明にみえてきたんですけど──。


 え──!!まさか──!!ひょっとして──!!


 その薄ら見える神物からは、聞いたことのある綺麗な声が聞こえてきて........。


「面白そうなこと、してるじゃない」


「暇つぶしにちょうど良さそうね」


「私も仲間に入れてくれないかしら?」


 うっひょ──!!薄らと淡い姿で──もう1神の女神様がご登場!!


 なんと、夢世界であったことのあるもう1神の女神様──メグフェリ─ゼ様が神霊体としてご降臨してきちゃったんだよ。


 それからはもう、しっちゃかめっちゃかの大盛り上がり!!


 どうせならもう少し時間を伸ばして、もっと真剣に、サラをイメチェンさせようという話し合うになっちゃった。


 そうして、マリティカ様とメグフェリ─ゼ様の2神と私で、等間隔の陣形フォーメーションを組んで──。


「よしっ、やってやるぞ」と勢いづいたまま、場所を私の工房に移動させて作業することが多数決で決まって、そんなこんなで場所を工房に戻してイメチェン作業が開始されると、そのままなんやかんやとこの工房内で、サラちゃんイメチェン実行協議会を、緊急開催する段取りになってしまう。


 女神様の進言によって、話がどんどん大きくなっていくんだけど、これはもう仕様がないし、仕方がないし、どうにも出来なかったんだ。


 サラ、ごめんね。許してね。


 サラ、貴女の犠牲は、ずっと.....嫌、多分忘れないと思うよ。


 その、サラちゃんイメチェン実行協議会では、サラの話題で花が咲き乱れ、みんなが面白可笑しい様々な意見を出し合い、みんなで議論して、大いに盛り上がることができたんだよ。


 当面のサラのイメチェンは、なんとかみんなの意見を纏めて、作り出すことができて、みんなの努力の結晶は、震えながらも本当によ。


 とっても素敵だよ、サラ。


 そして、私の工房内で緊急開催する運びとなった、サラちゃんイメチェン実行協議会は、和気あいあいとして、で楽しくはっちゃけながら進んでいったよ。


 でも、時間の関係上お開きにすることになって、みんなの声に惜しまれつつも、本日の女子会は大成功を収めて終了したんだ。


ついさっきね──。


「女神様、本当にありがとうございました─」


「今回交わした約束は、必ず遂行します」


「本当に、色々と、ありがとうございました─」


 ...ペコリ.....ペコリ....ペコリ...ペコリ....


 私の言葉と共にの女神達は、それぞれのつかさどる物質を媒体ばいたいにして、降臨していたが、私の言葉で役目を終えて消えていなくなった。


「あー、面白かった──」


「こんな女子会も、なかなか乙なもんだね─」


「また今度開こうね。サラ」


 本当に、すーごく満足できた女子会だった。もう最高に大満足で超嬉しい。


 初めは、夢世界でおこした事象をしっかり監視してたらしく、ちょっとお叱り受けて、なんであの夢世界を何十回も見せられたのか、本神等に事細かく説明して貰えて、ようやく納得することができたけど....。


 その後は、つまみのサラをみんなでいじくりまわして、みんなで面白可笑しく、遊んで、騒いで、爆笑して本当に盛り上がったよ。


 2神の女神には、色々お気軽に教えを頂くこともできたし、メグフェリ─ゼ様の話すお言葉は、ちょっときつい口調だったけど、性格は超優しかったから、私すっかりファンになっちゃった。


 マリティカ様も助けてもらったメグフェリ─ぜ様には、立場がかなり弱いらしく、私とマリティカ様との間のわだかまりも影をひそめて、かなり和やかな実験会場になってたよ。


 その私とマリティカ女神のわだかまりの原因も、メグフェリ─ぜ様の手にかかれば...。


「貴女達、そんな仕様もない事で、いままでめてたの?」


「それなら、今度私があなたの要望に沿う解決策をもってお邪魔するから、次はもう少し派手に私達を祭る準備をしながら待ってなさい」


 うっそ──。そんな簡単な事だったの──。


 思わず心の中で、そう叫んでしまった私。


 私とマリティカ様との、長年に渡るお互いの確執の原因が、そんなに軽く解決できちゃうものなの?


 まったくもって、全然信じられないお話なんだけど、女神様だからできちゃうのかな。


 まるで、近所にちょっとお買いものに行ってくる感覚で、超気軽に長年の懸案の解決策を、提案してきたメグフェリ─ゼ様。


 嬉しさの余り私は、とんでもないお願いを、その場の勢いに任せてしてしまったんだ。


「メズフェリ─ゼ様。お願いします」


「私を、弟子にして下さい」


「私はメグフェリ─ゼ様のようになりたいです」


 こんな凄い神様に向かって、弟子入り宣言した私なんだけど.........。


 そのお願いされた方の女神様は、お顔に見慣れた笑みを浮かべて、私を見つめる。


 何か、色々見透かされてる感じがしたけど、私の思いは正直に伝えたつもりだよ。


 お願いします。メグフェリ─ゼ様──。もっと女神様の御力を見せてください。


 私はそれをこの世の錬金術に応用して、錬金術を発展させたいです。


 私を見つめていたメグフェリ─ゼ様は、今度はマリティカ様の方に振り返り、マリティカ様に問いかける。


「私、マリの同伴で、お守りの使命しか、本神から指示を受けていなかったのを、思い出したわ」


「丁度、暇しているから、考えてあげないこともないけれど....そうねえ......」


「人の子を育てていくのも、面白そうだし、私は受けてもいいけど、マリはどう思う?」


 神水に御姿を投影しているマリティカ様は、困ったような仕草でメグフェリ─ゼ様を見つめた。


「正直、この子は、私の言うことを全く聞きこうともしません」


「この子は、本当に扱いずらくて、大変なんです」


「このまま、メグフェリ─ゼ様の助けがなければ、いずれとんでもない事態が生じかねません」


「ですから、私も出来ればメグフェリ─ゼ様に、教育してもらえたほうが嬉しいですし、肩の荷が大分下がります」


 マリティカ様は自神の率直な思いをメグフェリ─ゼ様に告げてくれた。


 私との因縁があるマリティカ様も同意してくれたようだ。


 メグフェリ─ゼ様は、透き通った御姿を私のほうに向けて、優しく語り始める。


「そう、わかったわ。貴女の思いには答えてあげる」


「でも、最初から弟子では、流石に早すぎるでしょう」


「初めは、貴女の助言者から、はじめてみましょうか」


「それでどう? アヴィ?」


 バンザ─イ!!バンザ─イ!!イヤッホ─!!!


 私は実際に飛び上がって、大喜びしちゃったよ。


 このメグフェリ─ゼ様との出会いが実現したのは、サラが自分の体を献身的に女神様に捧げてくれたお陰だよ。


 本当に、なんて素敵な出会いを、私にプレゼントしてくれるの。


 貴女との絶交はこれで、帳消しにしてあげる。


 それにしても、本当にサラには超感謝しなきゃね─。


「サラ、本当にお疲れ様」


「今日のサラ、本当に素敵だったよ」


「今の姿なんか、もう惚れ惚れしちゃう」


「本当にサラ、ありがとう」


 私が感謝の言葉を述べたのに、サラったら、全然私の話を聞いてくれないよ。


 ガチ無視ですか?まあ、仕様がないか。


 己の身を捨ててまで頑張ったんだもの。そりゃあ、疲れるよね。


 もう、まだ震えているよ。そろそろ止めないと、明日は全身筋肉痛よ。


 それにしても、よっぽど嬉しかったのね。


 今もガクガクブルブル震えるように嬉しがってるよ。


 しばらく、そっとしておいてあげるよ。


 しっかり、余韻よいんを味わってちょうだい。


 それにしても、あのメグフェリ─ゼ様は、お綺麗だったな─。


 もう、色々感心して女神様を褒めまくり攻撃したら、なんと、見た事も無いプレゼントまで貰えたし、なんて気前のいい、素敵な女神様なんだろう。


 こうなったら、私の人生目標を改めて変更しちゃいま─す。


今度は、あの素敵な女神様──メグフェリーゼ様を、目標にして頑張りま─す。


 私がルンルン気分で夢の気分に浸っていると、私のベッドには、が、かなりの恐怖にさらされたのか、未だブルブル震えて泣いている。


 まるで、魔導洗濯機が壊れる寸前のように、ガクブルガクブルと、不意に大きく震えだしたり、喚き散らしたりで、こちらも只今、大絶叫でわめき散らすのに大忙しみたい。


 仕方ないから、暫く私は、彼女をつまみに面白可笑しく、じっくり笑いを堪能することにする。


 実際問題として、サラに私の貞操を襲われそうになったショックから、ようやく私は立ち直ったけど、その恨み辛みはまだまだ忘れていないんだよ。


 だから、彼女が泣こうが喚こうが知ったことではありませんデ─スからね。


 は、面白可笑しく繰り広げられた、2神の女神による強制人体改造実験から、ようやく解き放たれ、嬉しさや恐怖、他にも様々な感情が交差したのか、涙を大量に撒き散らせるようにして、頭を左右に振りながらわめいていた。


 あ─凄くせいせいする光景で、私は、とっとも、とっても、VERY HAPPY。


「こわかった──アヴィちゃんのバカ─」

「うわ────ん」「うお─────ん」

「本当に死ぬかと思ったよ──────」


 もう、小さいことに、ウジウジうるさいな─。


 今回は、ちゃんと、死なないように手加減してあげたじゃない。


「うわ──ん」「うお──ん」

「アヴィちゃんのアホ───」

「うわ──ん」「うお──ん」


 ふんだ。どうせ私は、アホの子星からやってきたみんなの味方、アホの子星人よ。


 「近づいたらアホが移るから、傍によったら駄目」って平錬協会が思っているってことは、今回の事態で見事に判明しましたけど.....それが何か?


「うわ──ん」「うお──ん」

「アヴィちゃんのマヌケ──」

「うわ──ん」「うお──ん」


 もう、サラ─、ボキャブラリ─が全然なってないよ!!こりゃ─もう、補修決定だよ!!


 今度は、補修実験体験会&女子会を、企画してみようかな─?


「うわ──ん」「うお──ん」

「アヴィちゃんのアンポンタン」

「うわ──ん」「うお──ん」


 あっこの言葉に、なんだかピンときちゃった!!


 この3つのフレ─ズが重なりあうのって、何か、ちょっと響きがよく感じない?


 私はこの言葉に、心が魔導銃で打ち抜かれた感じがして、なんだか運命の出会いが今あったような、そんな心情を抱いてしまう。


 そうだ、そうだ、これなんかどうかな?


 私達は、今サラと私の2人きりだけど、もう1人加えて、芸名で例えば、アンポコ、ポンポコ、タンポポ3人合わせて、正義戦隊アンポンタンって叫び最高のポ─ズを決めながら登場。


 そんな、正義戦隊アンポンタンが、そこら辺にいるどうでもいい悪者を、3人の力を合わせてやっつけて、力の弱い庶民の皆さんを助けたら、それはもう立派なヒ─ロ─じゃない?


 よ─し、これも今度の女子会で提案しよう。そうしよう。


 このアヴィが脳裏で考えていた阿呆な提案は、お姿を大気に変えて、アヴィ達の様子をつぶさに観察していた女神メグフェリーゼが、余すところなくアヴィの思考を読み取っていた。


 その女神メグフェリーゼは、他の神々等と【神念話】でやり取りした後、新たな行動を起こし始める。


 その事実をアヴィには、知らされなかった。


「うわ──ん」「うお──ん」

「アヴィちゃんの薄情物──」

「うわ──ん」「うお──ん」


 何よっ、ちゃんと、サラが置き時計になる運命から、見事に救ってあげたじゃない。


 私、サラのHEROよ。ちょこっと人体改造されたけど、ちゃんと生きてるでしょう。


 サラをちゃんと守ってあげたのに、その言い草はさすがに酷いと思うな─。


 しかも、サラは無料で人間よりも、更に上位の神獣種族に生まれ変われたんだよ。


 もうちょっと、私を褒めてくれてもいいと思うけどな─。



「うわ──ん」「うお──ん」

「私がアヴィちゃんを汚すはずだったのに、反対に汚されちゃったよ─」

「うわ──ん」「うお──ん」



 ...パンパカパ───ン!!...(アヴィの心の中の音)


 この言葉が、ようやくサラから聞けたよ。


 あ─、私この言葉がサラの口からでるのが、もう、聞きたくて、聞きたくて、心の奥底から望むほど、絶対に、叶わない願いだと思っていたんだけど、ようやく私の願いが1つ叶えられたよ。


 サラちゃん、1問ファ─スト・正解、ア─ンサ─おめでとう。


 私も超嬉しい。ありがとう、サラ。


 2問連続正解すると、素敵な特典をプレゼントするよ。


 2問連続正解する特典はこれだ──。


 ..ジャ─ン..ジャガジャン!!..(アヴィの心の中の音)



 なんと──本日の夜限定、『この私と、朝までベッドで一緒に一夜を過ごす権利』を差し上げちゃうぞ─。


 さ─これは、サラが待ち望んでいた夢の権利が、なんと2問連続正解するだけで、簡単に手に入れることができちゃう。


 さ─サラ、元気よく、わめうめいて答えていこう。


 それでは、サラさん、お答えください。


 ..ジャ──ン..ジャガジャン!!..(アヴィの心の中の音)




「うわ──ん」「うお──ん」

「もう、お嫁にいけないよ─」

「うわ──ん」「うお──ん」



 ...パンパカパ───ン!!...(アヴィの心の中の音)



 え─っこれも正解よ。


 サラちゃん、2問連続正解セカンド・ア─ンサ─、おめでとう。


 私も、超超嬉しい。ありがとう、サラ。


 本当に凄いよ─、サラ。この言葉もサラの口から、是が非でも、聞きたかった正解ワ─ドなんだけど2問続けての正解よ。


 2問連続正解の権利。


『本日の夜限定、この私と、朝までベッドで一緒に一夜を過ごす権利』


 それを、見事獲得。おめでとう、サラ。私も夜がすーごく待ちどうしいな。


 さすが、うめわめきながらも、私が最も聞きたかった正解ワ─ドを的確についてくるサラちゃん。


 やっぱり、凄いよ。感動した──。


 サラ、貴女、クイズ王になれる素質があるよ。良かったね─。


 これで、おまんまの心配もしなくて大丈夫.....なのかな?


 その話しとは別で、さきほどの正解ワ─ドだけど、ちゃんと其の辺もしっかり考慮こうりょして、新しいサラにしたから、安心しなさい。


「サラ、安心して」


「私達は、ちゃんとサラのことを考えてイメチェンしたんだよ」


「性別まで変えるとさすがに大変だと思ったから」


「貴女はちゃんとしっかりとした、正真正銘のメスよ」


「多分、お嫁にいけると思うよ」


「私達はサラの味方よ」


「ちゃんと、サラが、お嫁さんにいけるように、しっかり協力するから」


 私の思いを、サラに声にだして伝えてみたけど、やっぱりがち無視された。


 まあ、いいや。サラはしっかり余韻に浸っているから、今は仕方が無いよね。


 貴女の種族にお嫁さんって言う概念がいねんがあるかどうかは、私はまったく知らないけど、しっかりとしたつがいは用意するから安心してね。


「安心して、私達に身も心もささげてちょうだい」


 私の思いをサラに向けて声に出して伝えてみたけど、やっぱりガチ無視された。


 取り敢えず2問続けて正解したから、次はサラ、この際だから3問正解を狙っていこう。


 3問正解したら、本日の夜限定『この私がサラを気を失うまで全身マッサ─ジする権利』を差し上げちゃうぞ─。


 さ─サラ、さらに元気よく、わめうめいて叫ぶように答えていこう。


 それでは、サラさん、お答えください。


 ..ジャ──ン..ジャガジャン!!..(アヴィの心の中の音)




「うわ──ん」「うお──ん」

「もう誰にも相手にされない体になっちゃったよ─」

「うわ──ん」「うお──ん」



 ...パンパカパ──ン!!...(アヴィの心の中の音)



 すっご─い、これも正解よ。


 サラちゃん、3問連続正解サ─ド・ア─ンサ─、おめでとう。


 私も超超超───嬉しい。ありがとう、サラ。


 本当に凄いよ─サラ。この言葉もサラの口から、直接、聞きたかった正解ワ─ドなんだけど3問続けて正解よ。


 3問連続正解の権利。


『本日の夜限定、この私が、サラを気を失うまで、全身マッサ─ジする権利』


 それを見事獲得。おめでとう、サラ。今日の夜は、サラの乱れた姿を存分に拝ませてもらうぞ。


 サラったら、もう、何でまだ嬉し泣きしてるんだろ。


 勝手に、1人で、勘違いしちゃ駄目だよ。



「うお──ん」「うわ──ん」

「サラ、貴女は、誰にも相手にされない体になっては、いないよ」

「うわ──ん」「うお──ん」



 ちゃんと私達、そこもしっかり協議したもんね。


 大丈夫だよ。そんなにビクビクしてたら、ゾワゾワしてくるよ。


 これが、ベロリのサラちゃんの、いつも抱いている感覚なんだね。



「うお──ん」「うわ──ん」

「安心して!!ちゃんと私達がそうならないようにしたもん」

「しかも、メグフェリ─ゼ様自神による渾身の新機能つきの高性能体よ」

「うわ──ん」「うお──ん」



 これは、私も超ビックリ!!流石は女神様!!


 私が学んだ錬金術では、こんな神の御技を絶対再現できないよ。


 なんと、あの場で、一瞬にして大きな神卵を創造するのよ。


 さらには、四次元映像を空中に浮かべて「ここに羽をつけると将来こうなる、この尻尾はこう付けたら見栄えが良くなるわよ」とか、もう、見たことない技術のてんこ盛り。


 そうして確定した四次元映像を、そのまま簡単に神卵に融合させてしまう。


 その感、私達がしっちゃかめっちゃか騒いでいる傍で、サラは私に必死に視線を向けていたよ。


 サラは私の支配下なので、声も出せないしまったく動けないけど、目で見て考える思考能力は残して置いたから、自分がこれからどうなるのか、悟ったのかな?


 必死に目線だけで、私に訴えかけてくるけど、私アホの子だからよくわかんないし、私の純粋な心を弄んだ罰を与えたいと思ってたから、そのまま続行しちゃった。


 その後、サラが悟った状況の通りに神卵に融合させられて、神卵が目出度くかえりましたとさ。


「うお──ん」「うわ──ん」

「サラは新しく魔性の体に生まれ変わったんだよ」

「その魔性の体は、気をきかせて、変身機能まで付けてあるんだよ」

「うわ──ん」「うお──ん」



 ここら辺は、私の独壇場よ。私の素晴らしいアイディアを、沢山提案して取り入れてもらえたからね。



「うお──ん」「うわ──ん」

「変身の仕方は貴女のマスタ─である私が変身の許可をまずするから」

「うわ──ん」「うお──ん」



 つまりは、私が貴女のたずなをしっかり握ることになるけど、護衛役になるんなら、別にいいでしょ。



「うお──ん」「うわ──ん」

「次にサラが専用の演唱を唱える」

「うわ──ん」「うお──ん」



 ここも、気合をいれたよ。色んなバ─ジョンを用意したよ。


 盛り上がる最中1つの変身につき、1つの文言を唱えるようにして、それ文言を記述した魔導紙は100枚を軽く超えてしまったよ。


 この魔導紙、結構お高いんだからね。


 私は自分で作成するから、そんなにお金かからないけど。


 その魔導紙をメグフェリ─ゼ様は、簡単に全てを複製して、その複製した全ての魔導紙を、空中に舞う様に浮かべ集合・凝縮し球状にしてしまう。一瞬にしてね。


 そして、球状にした複製魔導紙を光球に姿を変えて、神卵に融合させて──はい、出来上がり。


 もう、私は口をあんぐり開れるしかなくて、私の中の今まで培った錬金技術がガラガラと音を立てて崩れていくのを、ぼ─っと見守ったよ。


 それから私は、メグフェリ─ゼ様から貰ったプレゼントを手に握り締め、じっくり見つめたよ。


 これさえあれば、また新たな錬金技術を色々作れちゃうんだろうな。


 楽しみだよ。早く実験を再開したいな。


 おっと、今はサラに説明していたんだった。再開、再開。



「うお──ん」「うわ──ん」

「そして、サラが変身用のポ─ズをとって、最後のキ─ワ─ドを叫ぶ」

「うわ──ん」「うお──ん」


 だから、取り扱い説明書もちゃんとあるから、サラが勉強したら、いろいろ変身できるよ。


「うお──ん」「うわ──ん」

「そしたら、閃光と共に貴女はいろいろな変身が出来るようになるのよ」

「うわ──ん」「うお──ん」



 神竜にも変身できるようにもしたんだよ。


 あと、人類の敵に見えるような、怖い怪獣にも変身できるようにもしたからね。


 これで、怪獣ごっこして、みんなで遊べるよ。


 他にも、様々な神界の生物にも変化できるんだからね。


 勿論、変身した生物の能力も使えるように、メグフェリ─ゼ様がしてくれたよ。



「うお──ん」「うわ──ん」

「今度、一緒に変身の仕方を、実際にやって練習してみましょう」

「うわ──ん」「うお──ん」


 私達の自信作なんだから、その能力をいかして、また2人で遊ぼ。


 海の中にも潜れるように、潜水艇にも変身できるようにしたから、今度一緒に潜って見ようよ。

 

 実験を兼ねてさ、私の遊び場兼実験場の大きな地底湖とか、そこにある迷路みたいな水中鍾乳洞を、一緒に探検してみたいな。



「うお──ん」「うわ──ん」

「変身が巧く出来るようになったら、元の姿に、しっかり戻れるよ」

「うわ──ん」「うお──ん」



 だから、練習あるのみ。2人3脚で頑張ろうよ。



「うお──ん」「うわ──ん」

「それにね、サラ。貴女の周りには、絶対に沢山の人が押し寄せるよ」

「うわ──ん」「うお──ん」



 しっかり、サラが寂しくならように、私達の間で面白可笑しく考えたから大丈夫よ。



「うお──ん」「うわ──ん」

「それは、私が証明するよ」

「うわ──ん」「うお──ん」



 サラには、絶対に見えないように魔導紙でやり取りしたから、サラも知らないオプション機能もつけたけどね。



「うお──ん」「うわ──ん」

「ちゃんとメグフェリ─ゼ様が貴女の周りに人が集まりやすいように、私の提案を採用して、身体が7色に光り輝くようにしてくれたのよ」

「うわ──ん」「うお──ん」



 そう、今も神々しく眩しく光り輝いているのよ。


 きれ──い。これなら、サラに抱きつかれても平気だよ。


 むしろ、私から抱きつきたい。


 その姿を見た人物は、間違いなく、足を止めて見とれること間違いなし。



「うお──ん」「うわ──ん」

「しかも、サラの身を包んでいる、そのもふもふは神毛しんもうで出来てるから、素材協会の皆さんは列を作って、貴女の神毛を毎日はぎ取ろうとして、サラをいつもつけ回すことになるわ」

「うお──ん」「うわ──ん」



 私は錬金術師だから、素材がいろいろ必要なのよ。


 だから、サラから少し珍しい素材が撮れたら嬉しいなと、軽い気持ちでメグフェリ─ゼ様に提案してみたんだよ。


 これを、一番最初にメグフェリ─ゼ様に提案したら、素材を豊富にとれる存在にイメチェンすることなったのよね。


 つまりは、最初の私の発言が、ここまで話を大きくしてしまったけど、やってしまったものは、どうしようもない。


 仕方がないよ。諦めよう。人間諦めが肝心なんだよ。サラ。


「他にも、冒険者協会・盗賊協会・討伐協会の皆さんもサラのお尻をつけ回すように絶対になる」



「サラのその姿を見たら、みんな絶対ペットに欲しがるはずよ」


「魔獣動物園に売り払ったら、間違いなくその日から貴女はスタ─よ」


「サラ、もっと自信をもちなさい」


「貴女はこの世界でONLY ONEの神獣に生まれ変わったのよ」


「うわ──ん」「うお──ん」


「うお──ん」「うわ──ん」


「うわ──ん」「うお──ん」


「うお──ん」「うわ──ん」


 ...ガタン(扉を開ける音).....ガッチャ──ン(扉が壁にあたる音)....


 サラの鳴き声が工房内に響き渡る中、工房の上の方から扉が大きな音を立てて開けられたような音がした。


 その音を聞いただけで私は、とても重要なことを思い出した。


 あっしまった。やっちゃった。


 今日、熱中しすぎて、学校無断欠席しちゃったよ。


 ....バタ.バタ..バタ..バタ...バタ..バタ...(階段を駆け下りる足音)


 階段を駆け下りるような、音が聴こえてきて、その音がどんどん近づいてくる。


 あ─この階段の駆け下り方は、私の血の繋がらない1つ上の姉のシンフィリス姉ちゃんだよ。


 多分、私が学校を無断欠席したのを私の担任の教師から、聞かされたんだろうな。


 ....バタ.バタ..バタ..バタ...バタ..バタ...(階段を駆け下りる足音)


 あ─あ、この足音からして、かなり怒ってるっぽいよ。


 こうなったら、サラを犠牲にしてやり過ごすしかないね。


「さ─サラ、出番よ」


「貴女が先陣を切るのよ」


「泣いてないで、1度黙りなさい」


「いつまでもメソメソしてたら、魔獣動物園に売り払うからね」


「これが最後の忠告よ」


 サラに話しかけながら、神獣になったサラを両手でつかんで、抱え込んで準備万端。


「ヒック....ぐすぐす」


 サラも魔獣動物園に売られるのは、さすがに嫌らしくすぐに泣き止んだ。


 よ─し、いい子だよ、サラ。


 一応、あんまり強制したくないから、自由意思で行動できるようにしておくよ。


「それと、サラ。簡潔に言うわ」


「シフィ姉ちゃんと話すのは、絶対駄目だよ」


「それすると、絶対にシフィ姉ちゃんが私からサラを奪って解剖するだろうから」


 シフィ姉ちゃんは、何でも私の持ち物を取り上げて、解剖するから大嫌い!!


 最終的にシフィ姉ちゃんのモフモフの毛皮コレクションになっちゃうんだもん。


「話すのは絶対厳禁よ」


「それと、今日生まれたてみたいに、私が合図したら、いつもみたいに可愛く泣きなさい」


 今回のサラの設定は、マリティカ様から授かった私の護衛を兼ねた使徒という役で押し通そう。


 流石に生まれたばかりの神獣を取り上げることは、お馬鹿なシフィお姉ちゃんでもしないだろう。


「あとは、シフィ姉ちゃんに思いっきり甘えなさい」


 女神様から授かった神獣を取り上げると、神罰が落ちると脅しちゃえば、取り上げられないはず。


「シフィ姉ちゃんはもふもふ系に超弱いから、それを頭に叩き込んで、甘えちゃいなさい」


 シフィ姉ちゃんは、もふもふの希少魔獣を捕まえる為に、普段から暇さえあれば、山奥を探索してるもふもふ脳筋馬鹿だから、サラは絶対にシフィ姉ちゃんのお眼鏡に適うよ。


「シフィ姉ちゃんの毒牙をやり過ごす為には、お互いが最善をつくすしかないのは、わかるわよね」


「もし、失敗したら、私はサラを正体をばらすから、サラは自分の最善をつくしなさい」


「さ─、奴がくるわよ。私達2人の力を見せつけてあげましょう」


 取り敢えず、サラが消極的な態度を取らないように釘を刺しといたから大丈夫なはず。


 それに、命令口調で話したから、神水効果で裏切る心配はない.....。


 あれっでも今のサラには、効くのかな?まあ、いいや!!その時は手網を抑える呪文も用意してあるから、それでなんとかなるでしょ。


 シフィ姉ちゃんの攻撃を無効化さえできれば、サラの可愛らしい魅力で打ち勝てるはずだから、落ち着いていけば、必ず私が勝つよ。


 そして、どうせだから、シフィ姉ちゃんも一緒にサラの実家に向かえば、何かあった時にシフィ姉ちゃんを人質にできるかも。


 簡単だけど、大雑把な計画は出来たよ。


 よ─し!!これならシフィ姉ちゃんに勝てる!!


 絶対にデレさして、怒りを忘れさせてやるんだから。


 よ─し!!シフィ姉ちゃん勝負だ!!

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