第3話 夢世界の出来事③

 私が癒しの寛ぎタイムを満喫していると、私の視線は私の許可なく勝手に彷徨さまよいだした。


 その私の脳神経に繋がる両目の視線は、前世の女神わたしの美しさに、簡単に篭絡ろうらくされてしまい、すっかり目の操作機能を奪取され、私の視界の中央に陣取られることになってしまった。


 今からうらやまけしからん事を、幼い私のいる目の前で、永遠に愛を確かめる儀式をみせびらかして、私に衝撃の映像を見せつける前世の女神わたしは、ゆるふわの腰まで届く長い青髪を自然に下ろして、タレ目が印象に残る優しそうで柔らかい顔立ちをしている。


 だけど、今のそのお顔はびっくり驚いた表情をしているんだ。


 この女神が、私の前世の御姿らしい。


 そして、どうやら、メグフェリーゼ様がゼル様も助けていたみたい。


 そんで、下界に投下された2神は、目出度くこの何も無い世界で、ご対面をはたしたようなんだ。


 私は、愛しのゼル様と、今からいやらしい行為をする女神を凝視すると....。


「くっこのエロ女神めっ」


 憎らしげな表情を浮かべて、私は小さくののしるようにつぶやいた。


 お名前は、マリティカって夢物語の中で呼ばれてた。


 その女神の装いは、なんと手足が透明なお水で出来てた。


 お水飲み放題で便利そうだなと、一番最初にこの夢を見たときからずっとそう思ってる。


 お肌も凄く綺麗で、お水のようにツヤツヤサラサラみたいに見えて、青い刺繍の入ったお肌が透けて見えるワンピースドレスをばっちり着こなしている。


「今日もそのワンピースドレス、エロエロだね」


「お顔もエロエロだし、いいなー」


「私も早く女神と同じようにエロエロになってやるもん」


「そんで、いろんな男をかたっぱしから誘惑して、みんなから沢山貢いでもらって、一生遊んで暮らせるような、そんな一人前の立派な女の子になってやるから」


「絶対にエロエロ女神なんかには、負けないからね」


 エロエロ女神に対抗して、超大きな声で自分の野望を叫んで、私はエロエロ女神に負けない宣言をしちゃった。


 でも、この世界では、私はいない存在として扱われるから、私の喋った声も、この場にいる神様達には、全く届いていない。


 そこは、もう、なれちゃったから、どうでもいいもん。


 今私が気になっているのは、エロエロ女神が着ているエロエロドレス。


 あのエロエロドレスがあれば、世の男共の目線を釘付けに出来るはず。


 やっぱり、エロエロ女神に負けない為には、そのエロエロドレスがどうしても必要不可欠。


 その女神様が着こなしているそのスケスケエロエロドレスが、何が何でも欲しいのよ。


 それなら私の錬金術を駆使して神の布素材を作り出し、自作で編み込んでやるぞと、まずは洋服の設計図を製作完了させて、それから様々な紆余曲折を経て、ようやくもう少しで、仮のお披露目が出来るところまで、作業が進んだよ。


 そのエロエロドレスが出来上がったら、そのドレスを着てこの夢世界に入り込んでやる。


 そんで、愛しのイケメンゼル様に、私のエロエロドレス姿を披露してあげるんだ。


 もしかしたら、その行為がきっかけとなって、私が見えるようになって、私の方に振り向いてくれるかもしれない。


 おっと夢の中で考えごとしてたら、そろそろあの場面が始まりそうな雰囲気。


 その場にいるイケメンゼル様と前世の私のエロエロ女神が、今からしっかり抱き合う場面が始まるのよ。


 おーっとイケメンゼル様と前世の私が嬉しそうにお互いに走り駆け寄って行ったー。


「ゼル様、今日もイケてるよ」


 2神は顔を赤らめ、目から水晶玉のような神の涙を溢れ落としながら、近寄っていく。


「その必死さが堪らない。やっぱり貴方は私の守護神になるべき神様だよ」


 お互いの距離は簡単に縮まり、目の前まで近づいて来ると、勢いよく2神は固く抱き合った。


「よーし!!いけー、やったー!!密着完了!!」


「微笑ましいねー。そしてうらやましいねー」


「いいよ!!最高!!その抱きしめ方もいい」


「次に私も抱きしめてほしいよ」


「後ろに並んでたら、次に私を抱きしめてくれないかな?」


 この夢世界の中では、2神のラブラブ世界に染まっていき、それがしばらく続くんだ。


 女神様の小山なお胸も隠れちゃった。こういう出会いに憧れるよね。


 お互いにもう一生会えないと思ってたのに、無事にお互い再開できたから、本当に嬉しそうに抱き合っているよ。


 うー、何回見ても泣けてくるねー。


 でも、このエロエロ女神の精一杯ない乳を武器にしようとしてるのを思い返してみれば、同じぺったんこの系譜を受け継ぐ女の子として、なんだかちょっと切なくなってきたよ。


 この夢世界の中では、しばらく2神のラブラブ世界になり、それが更に発展していくんだよ。


「まあ、いいや、つぎだ!つぎ!」


「さあ、いよいよお待ちかねのお勉強のお時間です」


 さーてと、ここからが見所よ。


「さーいけ!それいけ!やっちゃいなさい!!」


 ぐずぐずしてたら、男がすたるよ。よーし突き刺せー。


 二人のお顔はどんどん距離が近づいて行って、前世の女神わたしがうっすらと目を閉じた。


 そのまま2人の唇は近づいて、やがて震えるように重なり合ってしっかりがっチンコ!!


 CHU♡!!CHU♡!!CHU♡!!CHU♡!!


「よーし、いったー、見事合体完了」


「羨ましいな。私も早く練習できる相手が欲しいよ」


「ゼル様の舌使いもじっくり堪能したいな」


 お互いに涙を流し合いながら、超アツアツの抱擁でお互いに、レロレロし合ってるよ。


「いい光景だよねー、幸せそうだなー」


「でも、やっぱり、幼い子供が見るにはとってもけしからん光景だね」


 もう1神の女性の登場人物は、薄ら笑いを見せて、この2人のお花畑の空間を見守ってるよ。


 この女神様の笑みも、何度もこの夢を見たせいか、もう見慣れちゃった。


 薄ら笑いをしている女神のお名前は、メグフェリーゼ様って前世の女神わたしが呼んでたよ。


 この女神様は艶のある腰まで伸びた漆黒の髪と同じ黒色の漆黒の翼を背に背負って、美神といっても全く問題ないほどの張りのある茶色肌の綺麗なご尊顔で、私はその魅力に取りつかれた1人だよ。


 スタイルも出るところはしっかり強調されてて、引っ込むところは当然ひっこんでいて、まさに完璧の御姿で、ちょっとうっとりしちゃう。


「は~綺麗だな~~」


 おっと、翼の美人女神に、思わず見とれちゃってたよ。


 今回、どうしても、果たさなければならない任務があったのを、忘れてずっと見とれてしまうところだったよ。


 危ない!危ない!よーし2神の幸せ空間もねっとり堪能したし、後はやることやりますか。

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