05 計画の進行



 それから、期を見て盗賊とは別れた。

 僕の計画の手回しが進んだためと、グリンウッド城塞都市でのごたごたにまきこまれたのとがあって、兵士に見つかってしまったためだ。

 仕方がない。


 僕は大人しく一旦城へ帰り、大人しくお叱りを受けて、大人しく普通の王子としてごくごく普通に過ごすのだった。


 それから着々と、世界の危機という自作自演を進めていって、悪魔の脅威に対処していった。


 盗賊とはその最中にもう一度会う事になったが、様子は相変わらずの様だった。


 しかしそこで更に思いもよらぬ事が起きる。


 何と記憶喪失の少女を見つけてしまったのだ。


 彼女は、僕が壊した門を管理していた、とある村の住人だった。


 何かに気が付かれると不都合だったので、保護する事にした。

 計画が狂う前に確保する事ができて良かった。


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