03 運命の日を待つ



 17歳になった僕は、王子らしく取り繕えるようになった。

 そして、見下していた民衆に対しても、内心を押し込めて笑顔で手を振れるまでになった。


 おそらくそれは、希望があるからだろう。

 僕には目標がある。


 力を手に入れて、英雄となるのだ。


 そうして、誰にも煩わされない自由を手に入れる。


 そのためなら、何だって利用してやるつもりだった。


 手始めに悪魔を封じ込めているという月の門を破壊し、異形をあふれさせた。

 そして、この世界を混迷の渦に陥れるのだ。

 それを僕が解決してやる。


 幸せになるために、他人の不幸を喜んで差し出そう。


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