第8話 義務教育期間5
小学生としての生活が終わる頃に東北の震災があった。地元でも揺れたそうだ。その日の夜遅くになるまでニュースを見ることがなく、何が起こっていたのかわかっていなかった。ニュースを見ても同じことばかりやっていたし、CMも同じものばかり流れる。
卒業式を終えて中学への準備をしていく中で震災のことを知ろうと思った。地震の構造は知っていたが、東北という縁のない街がどういった街なのかがわからないため忌々しいテレビのニュースやネットで東北の地形を調べた。はじめは合成かと思ったし、この先の巨大地震に怯えもした。何故か地震にトラウマがある私は寝るのが怖くなり、寝落ちするまで何かをするようになった。ゲームや読書をしている間はそれに集中さえすれば他のことに思考を割かずにいられたのが幸いだった。かなり精神的に不安定なため現実から逃げる手段があるのは人生に置いて大きなことである。若干考えが偏っていたため被災者に同情する気はなかった。ただ、この先の人生で災害にどう向き合えばいいかは考え始めた。ハザードマップや緊急避難用のポーチ作成などできることはしていた。
その時から現在まで災害に遭わなかったのは幸いともいえる。
ようやく中学生だ。ここで私は10年以上も付き合いがある悪友とも呼べるやつに出会うこととなった。
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