第6話 一歳になってその2

 魔力訓練を初めてからおよそ1年がたっている。やっとその成果を実感できたところだ。魔力を血流から分離して動かせるようになったのだ。さらに気のせいかもしれないが少しだけ魔力も増えた気がする。

 

 最近は少しでも動くことができるように、魔力訓練に追加して、筋力トレーニングを開始する。ベットの柵に捕まって立とうとするだけなのだがものすごく疲れる。もうすこしだけでも動けるようになりたい。

 話は変わるが、今日は初めて家の外に出ることができる。母に抱き抱えられるだけだが、初めての外だ。ものすごく楽しみなのは変わらない。


「シード、初めての外楽しみ?」

「う、ん。」

 前に比べたら返事くらいはできるようになったのだ。すごいだろ。

「今日はね、まずお庭に出て、その後、お店を回りましょ。」

「はい。」

「ヘレン、今すぐでもいいかしら。」

「ミラ様、準備は完了しております。」

 そう返事をしたのはクロード家で、兵士長として務めているヘレンだ。この役職は他の領地では、団長だとか、騎士長とか、呼ばれているらしい。

「シード、では行きましょうか。」

 服を着替えさせられた後、庭に出る。ここはメイド長のフローダを中心として作り上げた。花畑のようだ。

「おか、あ、様、このお花畑は綺麗ですね。」

「気にって貰えた?シードは、お気に入りの花は見つかったかしら。」

「ぼくは、この、白っぽい、花が、好き、です。」

「お母さんと一緒ね。この花はね、ダイアモンドローズって言うんだよ。綺麗でしょ。」

「はい。」

 さっきは白っぽいと形容したが実際には白ではなく、半透明で透き通っている。この文明レベルにダイアモンドがあることは、少し驚いた。

 

「じゃあ今度は外に行きましょうかね。ヘレン、お願いね。」

「お任せ下さい。」

 やはり、伯爵夫人ということで外に出ることも危ない世界なんだなと再認識する。狙われる可能性が高まるのは別の要因もあるのだがそれはまた別のお話。

 






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次回は外に行きます!

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