第二章 転生と三歳まで

第2話 転生

(グッ、痛い痛い)

 真っ暗のまま締め付けられている。状況は分からないが何か温かいものを感じる。

 しばらくすると光を感じる。

「おぎゃーおぎゃー(ここはどこだ)」

 ぼんやりと光を感じるものの外の風景は分からない。

「奥様生まれましたよ。かわいい男の子ですよ。」

 と声が聞こえてきた。メイドさんだろうか。

「ミル、生まれたのか。」

「あなた、男の子みたいよ。」

 父と母だろうか。今気がついたけど日本語じゃない言葉わかってるんだろうか。神様のサービスってことにしとこうか。考えても分からないし。

 そうすると少しずつ外の風景が分かるようになってきた。30歳くらいだろうか。女の人に抱えられている。ベットに寝転がっている銀髪の美人さんが、母さんになる人だろうか。覗き込んでる大柄な豪快そうな男の人がお父さんかな。順当に考えれば抱えてくれているのがメイドさんだろう。これって結構裕福な家庭なのかな。

 そうこうしていると、母とおぼしき人が話しかけてきた。

「シード。これがあなたの名前よ。そして、私が、お母さんのミラよ。そしてそこにいる怖そうな人があなたのお父さんよ。」

「ミラ!そんなこと言わなくてもいいだろ…。お父さんのグランだぞぉー。」

「ぎゃっぎゃっ(よろしくね)」

 お母さんとは違って茶髪である。俺は何色なんだろうか。

「お坊ちゃんも、奥様と同じで綺麗な銀色の髪の毛ですね。」

 考えていたことの答えがそのまま返ってきた。結構助かった。これが噂のご都合主義ってやつかな。

「フローダ、私のことも褒めてくれてありがとう。」

「奥様の機嫌を取ることも仕事のひとつなので。」

 とニヤッと笑いながら答える。

 メイドの名前はフローダというらしい。こんなにフレンドリーというか、馴れ馴れしいというか。本当にこれでいいのだろうか。

 色々考えていたら眠たくなってきた。起きていてもやることも今はないし、寝るかな。

「寝ちゃったわね。フローダあとは頼んでいいかな。私も少し休憩したい。」

「分かりました。」

「俺は仕事をしてくるな。」

 という会話があったらしい。

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