BUCHI-BUCHI


「何これ…!?目が…」


 ゴッ!


 突如、頬骨に重く鈍い衝撃が走り、景色がぐにゃりと歪む。男に殴られ、脳震盪のうしんとうを起こした律子は立っていられなくなり、そのまま地面に膝を預け、頭を垂れた。

 するとその直後、背後からキュッと首が締まり、身体ごと引きずられる。


「かはっ!かっ…」


 男は片手で律子のシャツの後襟を掴み、雑貨屋の店先まで引きずっていく。律子は手足をバタつかせ必死に抗うが、男の凄まじい力の前ではどうすることも出来ない。


「ググ……やめ…たすけ…て」


 男は空いた方の手で扉を開き、律子を店内へと放り投げる。


 ガシャン!!


 再び頭を強く打ったことで視界がさらに歪み、見上げる天井がドロドロと溶け出す。


「うう…」


 床の軋む音と共に男が近づいてくるのを察し、必死に立ち上がろうとするが、打ちどころが悪かったのだろう、身体に力が入らない。


 ドシッ


 男はその大きな身体を丸め、胡座をかいて律子の横に座ると、シャツの裾に手をかける。


「どれどれ…」


 シャツをめくられ、お腹が露わになるが抵抗できない。すると男は何かを探るように、人差し指と中指を下腹部にグリグリと押し当ててくる。


「な…にして…」


 血だらけの顔に不気味な笑みを浮かべると、男はゆっくりとした口調で話し始めた。


「ほほぅ…だいぶ減りましたねぇ。流石です、大楢律子さん。あなたは我々の想像を遥かに超える器。あぁ…楽しみですねぇ…。ご協力、誠に感謝いたします。…では…補充しましょうか」


 そう言いつつ男の伸ばした手が、次にズボンのボタンにかかったその瞬間、律子は今まで経験したことのない、絶望的なまでの悪寒に身体中を支配された。


「ひぃっ!やめ…やめて…!」


 身体が思うように動かない律子は、ろくに抵抗もできないまま、ズボンと下着を脱がされ、下半身が露わになる。


「お願い…助けて…」


 大粒の涙を流しながら、声にならない声で助けを求め、懇願するが、男にはまるで届いていないようだ。いや、それどころか、律子の絶望に打ちひしがれた表情を見て、高揚しているようにすら見える。


「ふふふ…少し痛いかも知れませんが、どうぞご安心ください。一瞬ですから」


 そう言って、ジャケットの内ポケットから取り出された金属製の細長い器具。その先には、およそ4〜5センチ大の、黒いトゲをまとった果実のようなものが固定されている。


「は…?なにそれ…?…いやいやいや…!何する気…!?」


 男は律子の両脚を丁寧に開き、それを肛門に当てがう。


「いやいやいやいや!!!!」


「さぁ、いきますよ」


 一息にグイッと押し込まれた瞬間、ブチブチという音と共に激痛が走る。


「ぎゃああああ!!!」

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