第2話  星霜の口笛



   星霜の口笛


 訪れる朝の光の中で


 一枚 また一枚と


 日めくりが 姿を変えていく


 それでも 変わらない風景がある


 季節は 必ず花と実りの時を与え


 心のキャンパスに 喜びを描く


 そこには 懐かしい顔があり


 星霜の中で 口笛を吹いている



 調べに誘われて歩く道は


 古い面影をのぞかせ


 今も変わることなく


 幼い子どもたちが 遊び


 祭りの御輿が駆け抜ける



 星霜は 人の髪を白髪に変え


 顔に 知恵のしわを刻み込む


 色鮮やかに 山を飾る木々のように


 人もまた 豊かな心で ひと際輝く時となる


 自らも 口笛を吹き鳴らし


 他の人の心に 住み着く


 


 

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