第4話
イメージできることなら、実現させられる。と、どこかで聞いた。今の私のイメージは、おいしい幸せ、いられる場所のある幸せを提供できるカフェ。メニューから店内から何から何までプロデュース。基調は青。ゆったりソファ席多めに、10席ほど。手をかけず提供できるすでに焼いてあるケーキメイン。動けるようになったらパンケーキやパスタ。うどんよりパスタのほうが腹持ちが良いと初めて知った。なるほどうどんは消化が早い療養食だ。
若かりしころに食べ歩いたパンケーキ。感動してリピートしたパンケーキを思い出した。作ってみたいなあと思った気持ちも。ふるふるふわふわも。パンケーキハンターだった頃食べた多くに感じたのは、たまご。たまごの力もあわせて、もしくはたまごの力のみで膨らませるためだろうけれど、とにかく卵で、たまご焼きを食べている気分になった。もちろんそれはそれでおいしい。ただ、私の目指したおいしいは、たまご感のないふんわり。味のないたまご?それとも別の空気を含む食材を使っての膨らみ?でも運ばれてしばらくしても目に見えてひしゃげる様子はなかった。賞味期限30秒なんてことはなかった。ベーキングパウダーなのかな。食べ物への関心は高かったのに、なぜ食べ物に関わってこなかったのだろう。
手作りのおいしいを届けるための第一難関は、髪の毛。結んだり抑えたりすると、すぐ頭痛を感じる。高いところでポニーテールしている人は、鉄の精神力を持っているのかと不思議だった。痛くならないと聞き、同じヒト科でもそれぞれだなあ。得意も不得意もそれぞれ。不得意をなくそうとしなくとも、人それぞれの得意と得意でつながってなんとかなっていかないかなと。そんなに頑張ればかり言わなくてもいいんじゃないかなと思う。
社会で生きることに不自由を感じているのはなぜ。どこから手をつけていいかわからないから?正解がないから?これは、少し、禍福は糾える縄の如しが感じられるようになった。焦っているのはなぜ。年齢?後悔しないように生きているか不安だから?生きづらくしていたのはだれ。私、親、先生、友達?
こどもは、いつの間にか一人で寝られるようになって、5歳になった。少しだけ、考える暇が与えられた。本当に瞬時だけれど。
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