第2話 物語

 私がたくさんノートやパソコンに書きためた物語。駄菓子屋さんの物語に、ミュージシャンを目指す若者の物語。人魚の物語。

 書いている時間、校正している時間、こんな文章はどうだろうと考えている時間、本当に好きだった。でも眠る時間を割くこともできない今の私は、大好きだと公言して良いのだろうか。好きなことを好きということさえ他の人の目、いや、自分の中の第三者の目を気にしている。無理にでも時間をつくろうとしないのは、好きでもなんでもない。私には、本当に好きなものなんて何もない。何もない人間なのだと。自分なのに、なんで自分を傷つけようとするの。それはきっと、他の人から傷つけられないように、自分を守っているから。

 好きなことをしたい、でも無尽蔵ではない時間にお金、うまくまわらない頭。どうすれば整理できるのかわからなかった。

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