@macata

第1話 小説

 こんなサイトがあったの。小説を書き、公開できるサイト。ほしいと思うものは、どんどん誰かが形にしている。私も何かしなくちゃと焦る。何かを形にしなきゃと。

 焦るけれど、あるものは活用しなきゃ。自分の考えを書きとめる場になる。いつの間にどこに置いてきたのだろう、小説家の夢。

 私は30になる。時の流れが早かったとは思わない。年をとるほどそう思うと言うけれど、まだ若いということ、と自分をなぐさめる。子どもともう何年も何年も何年も一緒にいるような気がするけれど、まだ我が子は3才、いや数日前に4才になった。

 自己啓発本を読み、自分のしたいことを形に、社会進出を、と思いながら毎朝大泣きする我が子を幼稚園へ送り、ほんの少し家事をすすめて、お迎え。あとはひたすら一緒に遊ぶ。子どもは、ご機嫌ななめになり、野菜を食べず、お風呂をいやがり、ときにご機嫌に集中して、1日過ぎていく。こんな時間もあっという間で、大切にしなきゃと思う。かわいい我が子といられるのは幸せ。でも。子どもに依存しないようにしなきゃと、何かを探している。

 夜は子どもより先に眠くなりながら添い寝して少し寝て、夫の帰宅で眠さに耐えながらごはんを温めなおす。誰かのサポートも重要な仕事。でも私の好きなことを活かしたい。小説、読書、からだにやさしいお菓子づくり、おだしや発酵食品の勉強、色鉛筆のイラスト、やりたいことはいっぱいある。子どもといるよりずっと長い時間に渡って、そばで私を支える何かをつくりたかった。

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