第24話 ネオシンク教の集会
今日は街に納品にきたついでにネオシンク教の集会に信者として参加する事にした。
集会所はスラムにあって今にも崩れ落ちそうな廃屋だった。
「こんにちは」
俺は側に居た中年の女性に話かけた。
女性の首にはあの
「はい、こんにちは。あなたもあの万病に効くという貧者の
「はい、全てにおいて平等でしたよね」
「くじが当たるといいけど」
「始まるようですよ」
「みなさん唱和を。創造神に前に全ては平等」
「「「「創造神に前に全ては平等」」」」
「自衛の為の戦いは
「「「「自衛の為の戦いは
「努力しない者には神は
「「「「努力しない者には神は
適当にでっちあげた教義だ。
後で適当な教義を更に追加しよう。
「ではくじを引いて下さい」
穴の開いた箱が回される。
信者が穴に手を入れくじを引いた。
「本日の当りは32番です」
木の棒を神官役のチンピラが抜くと番号を読み上げた。
「やった当たった」
「おめでとうございます。これも神のご加護です」
老人の信者が進み出て
そして、
「おおっ、膝の痛みが消えましたぞ」
「神のご加護です」
数十人の集まりだが、そのうちに数も増えるだろう。
問題は教会、特に聖騎士が出てきた場合はどうするかだ。
その場合は地下に潜るか。
それとも皆殺しにして戦争を始めるか。
両方だな。
戦争しながら地下に潜る。
これで行こう。
その時は集会を開催する場合には
信者の獲得も今の信者に紹介された者のみにするべきだな。
ネオシンク教の事はこれで良いだろう。
俺は次の日、開拓地に顔を出した。
平らになった住宅予定地がすっかり出来上がり周りには堀があって、木の橋が掛かり出入りする事ができるようになっている。
「どうでごぜいやす。立派なもんでしょう」
「ああ、予想以上だ。しかし、人数が少ないな」
「だいぶ魔獣に食われましたから」
チンピラの数は五人。
増やした割には少ない。
補充を考えるべきか。
後、定員は四人だな。
さてどうしよう。
かといって墓荒らしはしたくない。
やはり生きている人間を移住させる事を考えないと。
「次は
「お安い御用でさぁ」
俺はここまで苦労して持ってきた、根がついている野菜を背中から降ろした。
「それはなんで」
「見たら分かるだろ。とうもろこしヴァンパイアだよ」
「すいやせん、街育ちなもので」
「実を取ったら血を混ぜた砂糖水を与える。そうすると実が復活する」
「わかりやした」
「なんで持って来たかというと、食べる必要はないけど食えるんだろ」
「はい」
「たまにこれを食うと良い」
「頂けるんで」
「実はヴァンパイアだから普通の火で調理すると不味くなる。特殊な薪も作っておくから、その火で焼くといい」
とうもろこしヴァンパイアを住宅予定地の一角に植えた。
血が混ざった砂糖水を撒く。
萎れてた葉っぱがみるみる勢いを取り戻す。
後は適当な丸太をとうもろこし用にゾンビに変えるだけだな。
とうもろこしヴァンパイアの魔力が切れるのが十日後だから、またその頃に来よう。
家に帰って、
オークもだいぶ減ってきて家の周りでは、ほとんど見かけなくなった。
何時もの手順で餌を撒きおびき寄せ仕留める。
解体用にヴァンパイアを作りたいと
俺が家の解体場に行くと、シャデリーが後をついてきた。
「そんなにおもしろい物じゃないよ」
「なつかしいのよ。子供の頃に家でよく解体していたなぁ」
「そうか。好きなだけ見ていくといいよ」
綺麗に洗い、内臓を取り出し、皮を剥ぎ、肉を切り分ける。
臭みを取るための手順が省略されているのがミソだ。
普通の肉と違いゾンビ肉だからな。
俺は後ろから腰を拳でポンポンと叩く。
解体は重労働で、何時間も掛かる。
流石にくたびれた。
「こんど私が解体手伝ってあげようか」
「そんな事もできるのか」
「子供の頃よくお手伝いしたわ。見てたらやりたくなっちゃった」
「いい機会だから聞くけど、闇魔法は他に何ができる」
「精神操作系がほとんどね。後見せてないのはダークカーテンとダークボムよ」
なるほど姿隠しと爆発攻撃か。
攻撃の手数は少ないな。
精神操作系の種類が豊富で凶悪なんだろう。
混乱だけでも凄い戦力になりそうだ。
今、俺達に足りないのは人材だな。
コミュニティのメンバーが全て仲間になってくれればいいのだが。
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