ブレセン

もういつからだろう

ここにずっと居続けている

片方からは

こっちへおいでと

声がする

だけれどその道は

暗くて不気味で

進む気がしない

もう片方からは

嘆きの声と

怒号が鳴り響き

まるで地獄の音がするようだ

しかしその道は

明るく楽しげで

あの音さえ聞こえなければ

進みたい


どちらへ進めばいいのだろう

僕にとって明るい道は

皆にとっては地獄の道

皆にとって明るい道は

僕にとって暗い道


どちらにも踏み出せないでいる

僕がおかしいのか

皆がおかしいのか

それさえ判断できない


しだいに二本の道がぶれ始め

やがてどっちも見えなくなる


僕はいつまでもいつまでも

ここに留まっている


見えなくなった道が

いつか一本になる日まで

一本ならば迷うことはないから


そんな日は

一体いつやってくるのか

僕はいつまで

ここにいるのか


それともここで

果てるのか

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