グリンゼル

─どうして戦っているの?─

─みんな倒れてる─


『ちょろいな、これさえあれば我らが宇宙の支配者になれるぞ、グワァハッハッハッ!力がみなぎってくる!!』

─出てってよ─

『なに!?どうした体が言うことを聞かない?』

『ようやくか、念のためもうひとつ術式を組んでおいて正解だったか、確証はなかったんだが』

『なんだよ、その術ってのは?』

『深層心理に直接訴えかけ、本来の自分を取り戻すものだ』

『で、それが効いたわけ』

『そのようだな』

目の前には力を解放し、敵の呪縛をはね除け魔道具からは剣のような光が両側から出て全身から輝きを放ち穏やかな目をしたハルトくんが立っていた

そして自分が壊したものを念動力で持ち上げ元通りに直していく

『すごい、そのお姿古代の英雄グリンゼルそのもの』

『そうだな、長いこと魔道具が使われることはなかったからな』

『スゴーイ』

そしてあの事件から約10年、再会を果たす

『あれっピクニックは?』

『おっそうだな行こう、今から行こう』

ズダダダっ何やら騒がしく、どうやら地球では滅亡の危機から一転ヒーローの登場にテレビクルーがこちらにやって来たようだ

『なにやら面倒なことになりそうだ、一緒にこい』

『えっあっ、』

返答する間もなく宇宙船に乗せられる

__


緑豊かな惑星

尻尾に発光体を持つドラゴンが空を飛んでいる

そこに見覚えのある顔ぶれがいる

『ちょま、それでかくないか』

そこには体長30mくらいのカブトムシに乗ったハルトくんがこちらに来ている

『このくらいどうってことないよ、エイエイ』

凄い羽音でこちらに迫ってきた

『ひえ食われる!!』『大丈夫、樹液しか食べないよ多分』

そんな光景を近くで微笑ましく見る3人組


完。

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