第8話 コンフィデンスマンJP ロマンス編 プリンセス編

結局コンスタントに企画を進めるなんてことできず、更新がめちゃくちゃ遅れてしまった。


この映画を見たのはもう3週間くらいは前なのになあ。


やっと暇ができたと思って書き始めたお盆の終盤。

もはや映画の記憶がだんだんなくなってきました。


さて、コンフィデンスマンを知らない方に簡単にストーリーを説明すると、ルパン三世の詐欺師版と言えばいいのでしょうかね。


 長澤まさみ演じるダー子が、社会の大物相手に詐欺を働いて巨大な金を手に入れるというコメディ作品。

 犯罪行為をしているのにもかかわらず、ダー子を悪いと思えないあたりが、構造としてルパン3世を思い起こさせる。ただ、ダークヒーローを楽しむとピカレスクというわけでもない。

 詐欺を働いてるにも関わらず、どこかで行動に正義を感じてしまう構造になっている。

 魅力はとにかく長澤まさみ。

 そもそも俺は普段からドラマを見ないので、長澤まさみという女優の印象がちっともないのだが。彼女が喜劇女優としてこんなにはまるのだとは知らなかった。

 詐欺師というのはすべからく演技派でなければいけないのだろうが、まさに演技派という点で長澤まさみはこの作品の主役にうってつけであった。

 

 俺の作品との出会いだが、夕方、フジテレビのドラマを再放送でたまたま見てたら、面白いなあと思って、前作の映画版を含め、公開中の劇場版を見に行くまで至った。

 まずドラマ版の出来がすごいいい。

 全作品一話完結な上に、その中でしっかりトリックを仕込んで、勿論べたべたなネタも多いが、大概が視聴者をきっちりだましてくれる。よほど普段からミステリーを読み込んでる人間でなければ、「ははぁ、今回はそう来たか」とうならせる出来となっている。

 さらに毎回役者勢が豪華なうえに、ミスキャストが少なく、作品に没入できる。 製作陣の作品愛を感じることができる。

 なのでひととおり、ドラマ版を見た後、いつものようにアマゾンプライムの劇場版に手をかけた。


 で、ようやく劇場版の評に入るわけだが、まずは前作の劇場版の「ロマンス編」である。

 劇場版のゲストがあの「三浦春馬」。

 これまたドラマを見ない俺にとって、三浦春馬がどんな役者か全く知らなかったんだけど、いやあ、いい男だねえ。

 ロマンス編の配役としてもぴったしで、これを見る限りはすごいいい役者だわ。

 もったいない。なんで自殺する必要なんてあるんだ。楽しそうに演技してるじゃないか。

 きっと、なんか衝動的なものだったんだろうなあ。


 ロマンス編は本当に面白い。

 劇中ではすっかり喜劇女優が板についてる長澤まさみの、久しぶりの恋愛の演技が見られる。

 もしかすると、その部分のせいでダー子は本当に今回は失敗してしまうかもしれないと思わされ(もちろんそんなわけはないのだが)るのだが、そこはやはり「ダー子」なのだ。

 「ダー子」らしさをたっぷり堪能できる結末となっている。


 ドラマ版で、常に騙されている視聴者はもちろん劇場版を見ているときに、すべてのシーンに裏があると思って、探りながら見ていくのだが、ある程度の裏側までは見えてもやはりダー子の真の狙いに気が付くことはできないのである。


 まあというか、気が付けるわけはないのである。確かに露骨に劇中で矛盾の多いシーンが多く、ヒントは出まくってるのであるが、作品自体が劇中の役者を詐欺にかけるというよりは、観客を詐欺に書けようとしてるのだから、それに初見で気が付いて、俺はわかっていたねというのは難しい。

 素直に騙されて楽しむコメディ作品なのだ。

 だからこの作品を見て正当なミステリーファンは反則だとか、めちゃくちゃだとか言うのだと思うんが、そもそもコンフィデンスマンは「ダー子」が痛快に立ち回るのを楽しむ映画なのである。

 ミステリーとして評価しようとしている方はそもそも見ない方がいい。

 俺はもう、きれいにダー子にだまされたのでロマンス編は大満足なのである。


 とにかくロマンス編は面白い。だから、見て!


 それはひとえに長澤まさみのすばらしさにあると思う。仮にこれが主人公がイケメン俳優だったり、あるいは沢尻エリカのような、ある種人外の美しさを持つ女優なら、とても後味の悪い犯罪ストーリになるのだが、長澤まさみが演じれば、痛快なコメディ映画に変わる。

 騙されても悪い気はしないとなるのである。


 そう、ダー子が無邪気にはしゃいで活躍するのがこの作品の醍醐味。

 それゆえにいくら東出の演技があれでも、むしろ長澤まさみの引き立て役としては素晴らしく映る。


 そうだー子が輝いてこそのコンフィデンスマン。

 長くなったのでプリンセス編は次回に。









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