Brütal Legend

 Steam版"Brütal Legend"をプレイ。


 本作は、Lemmy KilmisterやOzzy Osbourne、Rob Halfordらが自らのそっくりさんキャラに声を当て、多数のメタルをBGMとして使用している、メタルファン向けのゲームとなっている。


 BGMは100曲以上収録されている。有名どころの曲ばかりだが、おそらく版権の都合でMETALLICAはない。IRON MAIDENもなかったような。主人公の名前がEddieなのに。

 もちろん、キャストとして出演しているバンドマンの所属するバンドの曲は収録されている。



 プレイヤーは、異世界転移してしまったライブハウスのスタッフ、Eddie Riggsとなって、オノで敵をなぎ倒したり、ギターソロで魔法を使ったり、アイアンヘッジ軍団を指揮して敵軍を倒したりして、悪の皇帝Doviculusを倒す内容。



 本作は日本語に対応していないため、プレイするにはある程度英語の読解能力が必要になる。ただ、実際には、ほとんど読めなくても問題ない。


 ストーリーは正直どうでもよく、そんなにまじめに英語を読解してまで理解する必要はない。雰囲気でだいたいわかる。


 何をすればいいかわからなくて行き詰まることがしばしばあるが、それは英語が読めても行き詰まる。なぜならちゃんと説明されていないか、あるいは説明自体が全くされないから。というわけで、英語が読めなくてもわりと大丈夫である。英語が読めても大丈夫じゃない、という言い方もある。



 本作では、オブジェクトにアクセスする方法が複数ある。しかし、その多くに説明がない。


 まず、Yボタンを押す方法。これはだいたい画面の下にボタンを押すように促すアイコンが出るので、タイミングがわかりやすい。


 次に、ギター攻撃を当てる方法。

 これは主にドラゴンの石像にアクセスする時に使う。ゲーム中には何の説明もないが、ドラゴンの石像にギター攻撃を当てると、なんかプレイヤーキャラが強化されるようである。表示がすぐ消えてしまうので、具体的に何が強化されているかはよくわからないが。まあ、解放しておいたほうがいいだろう。


 そして、A+Xのアースシェイカー攻撃を当てる方法。これは序盤の重りを落とすときや、レジェンドを開放する時に使う。


 序盤に、でっかいワームに襲われて、鉄格子の先に行きたいんだけど、どうすりゃいいかわからないというシチュエーションがあるが、これの正解がA+Xで重りを落とすこと。そう書きゃいいのに、英文のヒントは「重りを落とせ」とか出るだけで、具体的にどうすれば重りが落とせるかは説明されていない。つまり、英語なんか読めなくてもいい。メタルに言葉など不要である。


 レジェンドとは、赤い宝石みたいなのが鎖で繋がれているような石像のこと。この石像にどうアクセスしていいかはゲーム中に全く説明がないが、ある程度ミッションを進めたあとに、石像の近くでアースシェイカーを出すと開放されるようになる。


 それから、ギターソロのRelic Raiserを弾く方法。

 これはMotor Forges(オジー・オズボーンのそっくりさんがいるところ)やBGMを開放する時に使う。 この解放方法を使うオブジェクトの側には赤い十字の花が咲いているからわかりやすいと思う。


 このように、オブジェクトにアクセスするのに4種類も方法があるのに、その説明がないために、どうしていいかわからないままゲームをクリアしがちなのがこのゲームだったりする。なぜかメタルを題材しているゲームには、こうした大雑把さ、いい加減さ、不親切さがありがちだったりする。理由は知らないが。別にメタルゲーでもユーザーフレンドリーであったっていいような気がするのだが。



 メタルが題材のゲームということもあって、本作は、全体にまとまりがなくて大味で不親切。特に序盤は、アクションゲームだったりレースゲームだったり、ゲームジャンルがころころ変わるので、一体何のゲームをしているのか、わからない状態が続く。


 ある程度進めていくと、このゲームのメインモードは、ファンベースを確保してファンを集め、そのファンを消費してユニットを生産し、敵ライブステージを破壊するのが目的の、RTSみたいなゲームであることがわかってくる。


 ただ、普通のRTSとは異なり、戦術性はあまりない。防衛するとか隊を分けるとか、そういう小賢しいことはメタルには不要である。

 そのくせ、メインミッションでやるこのゲームモードでは、勝ち方が決まっていることがままあり、それが毎回変わる上に説明不足なので、その勝ち方がわからず何度も負けてイライラすることはある。


 このゲームモードでの基本的な正解は、とにかくユニットを生産しまくって、ひとかたまりにして速攻をかけること。プレイヤーはギターソロでユニットにバフをかけたり、他のユニットと連携して強力な攻撃を打ち出せるのだが、そうした恩恵に与るためにも、軍団は一箇所に固まっている方がいい。

 防衛に戦力を割くとジリ貧になるので、とにかく敵ベースや敵ステージへと攻撃をかけ続けた方がいい。群がってメイロックサインを掲げてふゃっきゃーとか叫びながら敵に突撃するのが正解であり正義。


 指揮官はギターソロで味方にバフをかけたり、ベースを建設したり、周囲の敵を一掃したりできる。ギターソロはちょっとした音ゲーみたいになっている。判定はかなり緩く、押し間違えたり、よっぽどズレていない限りはミスと判定されない。


 なお、このメインモードは、オンラインの対戦ゲームとしてプレイすることも可能になっている。その際は敵軍を操作することも可能。ラスボスも使える。別に強くないが。

 ただ、オンライン対戦は過疎っているので、フレンド同士でやるか、AI相手に遊ぶことになるだろうと思う。



 本作は無駄にオープンワールドとなっており、各地でサイドミッションがあったり、メタル曲が眠っていたりする。

 収集品の数は恐ろしく膨大で、自力で全部見つけるのは相当大変だと思われる。しかも、先に書いたように、収集品によってアクセス方法が異なり、しかも説明がないので、攻略情報を読まずにプレイした人の多くは、見つけていながらアクセス方法が分からず放置したと思われる。超絶不親切。

 実績解除のことを考えないなら、これらを真面目に全部収集しようとはしないほうが精神衛生上良いだろうと思う。実績解除したいなら自力解決しようとせず、迷わず攻略サイトでマップを見るべき。


 サイドミッションについては、その多くは敵の掃討、拠点防衛、レースの3種類。いくつかは特殊ミッションになっている。



 難度は選択可能。ノーマルでも意外とキツい局面がいくつかあるが、難度のせいというよりは、攻略方法がわからなくて詰むことの方が多い。攻略方法さえわかれば、ノーマルでもブルータルでも難しさにそう大差はない。

 ただ、サイドミッションに関しては、難度ブルータルだとかなり厳しくなる。


 実績のことを考える場合、メインストーリーはブルータルでクリアする必要があるが、サイドミッションのクリアは難度を問われない。なので、最初はジェントルでプレイしてサイドミッションや収集品をすべて集め、2周目でブルータルにしてメインストーリーを速解きすればいいと思う。


 なお、現在、そもそも実績をコンプリートするのは困難となっている。過疎っているマルチプレイの実績があるため。なので、そんなに根詰めて実績コンプを目指すこともないだろう。



 メタラーならプレイしても損はないと思う。ただ、ストーリーもゲームデザインもプレイヤーの誘導も雑で、その雑さがストレスになり、面白さを削いでいることがあるのは否めない。

 私も中盤あたりでイライラしてきて、途中で放り出そうかと思ったこともあった。そのときBGMとしてWHITESNAKEの"Still of the Night"が流れ、それで「もうちょっと頑張ってみようかな」と思えた。そんなゲームである。


 私の要望としては、どうせ雑で大味なゲームにするなら、アホでもクリアできるような、シンプルで爽快で簡単なゲームにして欲しかった気がする。メタルを聴きながら頭を空っぽにしてヘドバンしながら敵をなぎ倒すだけの内容で良かった。


 ただ、ラスボス戦のBGMが"Painkiller"なのは高く評価する。



●攻略情報


 いくつか、攻略の仕方がよくわからないミッションがあったので、ここで攻略方法を書いておく。



 まず、序盤の、ワームから逃れるシーン。鉄格子の先に行きたいんだけど、行き方がよくわからないやつ。

 これは何度も書いているが、吊るされた重りの側でA+X攻撃を出せばいい。



 バスを守るミッションでは、前方のバイクはバスが勝手に轢き殺してくれるので、なるべく後方について、後ろのバイクを各個撃破していけばいい。



 ウーハー部隊を引き連れてスニーキングをするミッションでは、ウーハーに飛び乗ることで、プレイヤーはステルス状態になる。これを利用すれば素通り可能。



 ゾンビ部隊にひたすら襲われるRTSバトルでは、とにかくファンベースと部隊の数を維持することが重要。

 それと、なぜかこのときユニット生産画面でYボタンを押すことで初期ユニットがアップグレードできるようになっているから、アップグレードしておく。



 吹雪に阻まれて先に進めないRTSバトルでは、最高級ユニットであるロッククルーザーを生産して、ストーンヘンジ空爆を当てることで吹雪を出している塔を破壊できる。ただ、結構ぎりぎりまで射程を詰めないとダメで、遠いと当たらないし、近づきすぎるとロッククルーザーが破壊されるという、そこでギリギリにする必要あるの? と思うような、変にシビアなことになっている。



 ラスボス戦は、まず、RTSバトルでは、ステージのアップグレードをせず、ひたすらユニットを生産しまくったほうがいい。

 敵はノーコストでにユニットをスポーンでき、しかも時間経過でどんどんと強力なユニットを送り出してくるから、出の遅いユニットを生産していたら間に合わない。とにかく人海戦術で速攻をかけるのが正解。ヘドバン部隊を量産しまくる。

 敵の強いユニットは車を駆使して倒す。


 ベースを確保したら、次は左右の塔を破壊する。左右の塔は、破壊すると車で突撃できる位置に目が来るようになる。

 本来のルートは、長くてくねくねしたトンネルを車で走って目に突撃するのだと思うが、それだと時間がかかりすぎ、その間に味方がどんどんやられてしまうので、トンネルの出口まで飛んで、そこで車を召喚するのがおすすめ。


 両目を潰したら中央のドクロに特攻できるようになるので、味方が崩壊する前にさっさと突撃する。これでRTS戦は終わり。ここさえ乗り切ればあとは簡単。ラスボスと戦うだけ。


 ラスボスは、一定量ダメージを与えると、鎖に繋がれて退避する。その間、敵が無限に沸くので、こいつらは無視して、鎖に繋がれているラスボスにギターで雷を当てまくる。すると鎖が取れてまた接近戦を挑んでくるので、オノで泣くまで殴ってやればいい。


 ヘドバン部隊を量産するのはこのゲームの他のRTSバトルでも通用する。とにかくこのゲームのRTSパートでは、質より数が重要。ヘドバン部隊は弱そうに見えるが、数がいれば弾除けになるし、結構敵ベースや敵ステージへの制圧力も高い。なので、とりあえずヘドバン部隊は限界まで生産しておいたほうが、実は戦いやすかったりする。ヘドバン部隊で壁を作ってから、ガンナーやウーハー部隊を生産し、ヘドバン部隊の壁で守りつつ戦うわけである。


 なお、レミーのバイクは一見弱そうだが、周囲の味方を回復するヒーラーの役割を果たしている。なので、部隊が大きくなったら生産しておいたほうがいい。しぶとさがだいぶ変わる。特にプレイヤーキャラがレミーの側で戦うとかなり強力。

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