ポポロクロイス物語 (3500字)
『ポポロクロイス物語』をプレイ。ソフトはオリジナル版。使用ハードはプレイステーション2実機。
プレイステーションのソフトはPS2で起動する場合も、基本的にRCA端子でないと映像が映らない。RCAを無理矢理HDMIにすることはできるが、元がRCAのままなので画質は良くならない。昔のテレビならともかく、現代のモニターでRCA端子接続による映像はなかなか辛いものがある。
そもそも、なぜいま『ポポロクロイス物語』なのかについて。
PSクラシック発売時、私はソフトのラインナップに不満を持っていた。もっと入れても良さそうなゲームがたくさんあると思った。
そこで考えた。PSソフトは今でも入手が容易だし、本体も後期型PS2がそこそこの値段で買える。だったらそれらを買い直して、私家版PSクラシック的な環境を作ってしまえばいいのではないかと。
そう思い立ち、かき集めたPSソフトのひとつが『ポポロクロイス物語』だった。だいぶ前にプレイしたきりなので内容はあまり覚えていないが、確か名作と言って良かった記憶がある。
買った後しばらくはプレイする暇がなくて放置していたが、ようやく手を付けてみようという気になった、というわけである。
というわけで、久し振りにプレイしたわけだが、びっくりした。最初のエンカウント戦闘で全滅したからである。クソゲーじゃないのに最初の町周辺の敵でいきなり死ねるRPGはそうはない。
王国軍が一方的に敗れた敵を倒すために10歳の王子が兵士二人を連れて旅に出るのは誰がどう考えても無謀ではある。それを考えると、いきなり全滅するのはリアルといえばリアル。しかし、ゲームとしてはどうなのかね。最初のエンカウント戦闘で全滅するバランスでいいのかね。こんなに子供向け感満載のメルヘンチックな見た目なのに。
……そう。実はこのゲーム、けっこう難度が高い。敵の攻撃力が高めで、多くの攻撃は2発食らうと死ぬ。一撃死することもままある。その上、全体眠りや全体攻撃を仕掛けてくる敵が序盤から容赦なく登場する。
ステータス異常を防ぐには「りゅうのまもり」というアクセサリを装備するしかない。これは中盤に1つ入手機会があるが、これは店から盗み出さねばならず、取るとその店の品揃えが悪くなり、後々不利益を被る。あとは最終盤の敵からのドロップのみ。要するに終盤まで眠らされ放題である。
あと、序盤には『キングスフィールド』並の罠が存在する。南に進むと橋の側に看板が立っていて、「お買い物をするなら港町へ!」みたいなことが書かれているのだが、その宣伝文句に釣られて橋を渡ると、ものすごく強い敵に瞬殺される。港町に行くのはもっとずっと後の話で、序盤はそっちに行ってはいけないのだが、だったら看板に「危険」とか書いておくべきではないのかね。
しかし、本当に驚きなのは、かつての私はこのゲームをヌルい方だと感じていたことである。子供向けと大人向けのちょうどいいバランスを取ってるな、くらいに思っていた。
これはどういうことなのだろう。今の私がヌルゲーのぬるま湯に浸かりすぎて怠惰なゲーマーになってしまったのだろうか。それとも、昔の私がひどいRPGをプレイしすぎて鈍感だったのか。
そういえば、ニンテンドークラシックミニでプレイした『ファイナルファンタジーIII』も、序盤に石化攻撃を連打してくる敵が出まくる山があった。石化を防ぐアクセサリはなし。金の針を使えば回復するものの、高額なためにそんなにたくさん持ち歩けない。その時点では石化回復魔法も習得不可。
昔のRPGは総じて、状態異常のヤバさに鈍感なところがあるように思う。今だと眠らせてくる敵が登場するなら、眠りを防止する手段が必ず用意されているが、そういう配慮がないゲームが多い。
しかし、『ポポロクロイス物語』は1996年のゲームである。96年でもまだこんなバランスのゲームが「名作」として評価されていたのだから驚きである。
本作は、ポポロクロイス王国の王子ピエトロが、ずっと眠ったままの母ちゃんを起こすために大冒険をするという内容のRPGである。ほんわかした感じのグラフィックでメルヘンな世界観。本作には原作漫画があるとのことだが、私は知らない。
見た目とは裏腹に難度が高め、ということは先ほど書いたが、ストーリー的にも意外とハードなところがある。
ほとんどの部分では子供向け世界らしく、冒頭で正統派な悪役を演じたガミガミ魔王が実はいいヤツだったり、白騎士にとぼけたところがあったり、ものすごく大変な事態が起きても死者は出なかったりするのだが、だからこそ、後半の展開の重さは堪えるモノがある。どうせみんなハッピーなメルヘン世界なんだろと気を抜いているところに不意打ちを食わされるのである。
戦闘システムが特徴的で、ウォーシミュレーションのように、移動力を消費してマス目を移動し、剣や魔法を使用して敵を攻撃するシステムになっている。近接攻撃を仕掛ける際は、敵と隣接していなければならない。
また、エンカウントすると、その場で戦闘になる。障害物の多い場所や狭い通路で戦闘になると移動に大幅な制限がかかり、味方が孤立したり、敵が近接攻撃の届かない位置に出現したりすることもある。
もうひとつ特徴的なのは、気力ゲージがあり、防御すると溜まり、攻撃すると消耗すること。気力が減ると与ダメージが減るため、連続で攻撃し続けるのは得策ではない。
防具のシステムも特徴的。防具は「アクセサリ」扱いとなっており、最大2つ装備可能。守備力の上がるアクセサリを2つ付ければ当然守備力は大幅に上昇するが、魔法防御や属性耐性、素早さなど、他の部分で弱点を抱えてしまう。かといって、全部のステータスをまんべんなく上げられる組み合わせはなく、何かを諦めなければならない。アクセサリに何を装備するかは、このゲームをプレイしていると常に悩みの種になる。
で、先ほど書いた、このゲームのシビアさ、という点に話は戻る。
このゲームでは敵の攻撃力が高めに設定されており、HPMAXの状態から1撃食らっただけで瀕死になることも珍しくない。
また、序盤から全体攻撃、自爆、全体眠りなどの危険な攻撃をしてくる敵も多い。気を抜くとあっという間に全滅する。こうした攻撃への有効な対処法はなく、お祈りをするか、レベルを上げて少しでもHPを上げて対抗するくらいしか手がない。戦闘終了後に毎回HPを満タンにすることは絶対必須。サボると死ねる。
HPの高い白騎士が仲間に加わるとかなり安定感が増すが、白騎士に限らず、本作のパーティーメンバーは途中で抜けたり再加入したりとなかなか安定しない。思わぬところでパーティーメンバーが減って超辛い戦闘を強いられる羽目になることもある。下手をすると詰む場合もあるかもしれない。
私がプレイしたときの感覚では、島に漂流するあたりで詰む可能性はありえると思った。敵の攻撃が強すぎる。あの島には強力な雷魔法と全体水魔法を使ってくる敵がいるが、アクセサリで両方の耐性を付けると、今度は守備力が低すぎて物理攻撃で死ねるようになる。すんごいキツい。
常に少し余計めにレベルを上げ、回復アイテムは充分に用意しておいた方が良さそうである。
全滅した場合は、所持金が半分になって最近泊まった宿屋まで戻される。このペナルティは甘めと言っていいと思うが、お金のやりくりが大変なゲームであるため、所持金半減は痛い。
対策として、ブタの貯金箱にお金を入れておくことで、全滅時の半減や盗難(序盤に金を盗むサルがいる。冗談ではなく身ぐるみを剥がされる)を防ぐことができる。ただし、お金を引き出す際は貯金箱を割る必要があり、もう一度利用するには買い直さなければならない。
エンカウント率は、フィールド上では標準的だが、ダンジョンは高めに設定されているらしく、局所的にやたらと敵と遭遇する場所がある。そういうところでは、3歩でエンカウントすることも珍しくない。ちっとも進まずにイライラすることも。
ダンジョンの構造は、終盤に行くほど徐々に複雑になっていく。わりと迷いやすく作られている。
しかし、それよりも厄介なのは、戦闘に向いていない地形が多いこと。狭くて入り組んだ地形が多いせいで戦い辛かったり、味方が孤立して何も出来なくなったり、敵が孤立して倒すのが面倒だったり。フィールドがそのまま戦場になることを考慮して、もう少し広めにデザインした方が良かったんじゃないかと思える。
総評としては、意外とやりごたえのある、ハードな難度のRPG。ただ、かつての私は全然そう思っていなかったから、実はRPGの難度はもともとこんなものなのかもしれない。
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