邪聖剣ネクロマンサー バロンとロミナとともに (12000字)

 PCエンジンmini版『邪聖剣ネクロマンサー』を、バロン、ロミナをお供にしてプレイ。

 初回プレイでは自己紹介からして選んだらヤバそうな2人だったので候補にすらしなかったが、逆に、この2人をお供にしたら本当にどの程度ヤバいのかには興味を持った。


 初回をカオス、マイストでプレイした印象では、結局のところ、物理ダメージが通るのは主人公だけになり、仲間はサポートに回ることになりそうに見えた。

 MPが多く、使える魔法も豊富なカオス、ライムは間違いなく役に立つが、攻撃が当たらないバロンだって壁としては使えそうだし、ロミナがいくら弱いと言っても、バーンの杖係にすればなんとかなるんじゃないかと思った。


 ……現実は甘くなかった。


 バロンは確かに壁役にはなるが、あまりに素早さが遅いために敵の攻撃が連続攻撃になってしまい、他のキャラにダメージが飛び火してしまうことがある。そうなると壁の意味がない。しかも、レベルアップが遅い。


 ロミナは想像を超えて弱かった。全てのステータスが尋常でなく低い。「特に取り柄がない」という自己紹介は謙遜ではないどころか、盛っているとすら言える。取り柄がないというより、何の役にも立たないと言った方が近い。ロミナは王国の戦士の一人として紹介されるが、実は事務員かマネージャーかなんかで戦闘要員ではないのではないかと思えるほど酷いステータスである。

 バロンはレベルアップこそ遅いが、上がりさえすればHPと攻撃力だけはもりもり上がる。しかしロミナは、どれだけレベルアップしても弱い。

 ネットでの情報によると、ロミナの能力はLv30くらいから急上昇するらしいが、Lv30というとネクロマンサーを入手する頃で、下手するとラスボスを倒しているレベルである。つまり、最終盤までずっと弱いということになる。これは酷い。


 バロンとロミナをお供にしたときの最も効果的な戦術は、2人とも殺して主人公だけでプレイすることだろう。敵から得られる経験値は山分けになるので、2人が死んでいれば主人公は3倍の速さでレベルアップする。しかも、2人の装備は必要ないので、経済的にも3倍楽になる。

 しかし、それだと「バロンとロミナをお供にクリアした」とは言えないだろう。


 というわけで今回私は、誰かが死んだ状態で戦闘に突入するのは禁止、ということにした。誰かが死んだ場合は、次の戦闘までに復活させなければならない(蘇生魔法を使うか、すぐに飛行石等を使って町に戻って復活させなければならない)。それができない場合はリセットする(町でセーブはするので最初からやり直しにはならない)。

 あと、大きな影響はないが、グリフォン等の仲間を吹き飛ばす敵は優先的に倒すことにする。それでも飛ばされた場合は仕方ないということで。


 誰か1人でも死んだらダメとなった場合、問題になるのはロミナのHPの低さである。気を抜くとすぐ死ぬ。できるだけいい防具を持たせることである程度は対処できるが、魔法ダメージは軽減できないのでキツイ。ロミナにひたすら防御させるくらいしか手がない。実質2人パーティ状態である。

 しかしこれ、外なる神との戦闘での魔法2連続攻撃に耐えられるのだろうか。



 Lv1。ロミナのステータスの想像以上の低さに驚く。さすがにランダメリア周辺で戦う分には問題ないが、下手したらすぐに死にそう。

 普通ならLv4にもなればバーンの杖を取りに行って解呪可能だが、このパーティーだとロミナのHPが低すぎて危ない。そのため、Lv6まで上げてからヘラーシャに向かうことにした。


 さすがにLv6ならそう問題もなく、ヘラーシャに辿り着く。ロミナが死にかけたりはしたが。

 買える最強の防具をロミナに、ソードを主人公に装備させる。

 お下がりのクローをバロンに装備させたかったが、装備できないらしい。魔術士でも装備できるのに。変なところで制限のある奴である。

 魔法はライルをひとつ買う。2人合わせても3回しか使えないが、ないよりはマシ。

 あとは薬草をありったけ買って、バーンの杖を取りに行く。

 道中、ロミナはずっと防御。特にミオンを使ってくる奴の時は防御しないと危険。

 バロンは素手でソード持ちの主人公と同等のダメージを出せるが、すでに空振りが多め。


 ところで、ヘラーシャには「呪いを解いてやる」とか言いながらちっとも解けない無能な魔術士がいるが、こいつにミランダの像を持っていったらどういう反応をするのだろう。ちょっと気になる。


 準備が調ったので、バーンの杖を取りに行く。万全を期した甲斐はあって、バーンの杖の回収、解呪に関しては特に問題なく行えた。ミオンを連打されてロミナが死にかけたりはしたが。

 バーンの杖はロミナに持たせるが、現状では杖を使うよりは防御に専念させる。HPが最大値でも、瀕死状態なんじゃないかと思えるほど低い。


 まだ次の大陸に行くには不安材料だらけだが、最初の大陸でレベル上げするのは効率が良くないので、バロンにソードを買って、意を決してビレッタへ向かうことにする。


 ランダメリア-ビレッタ間のほこらには「バーンの杖がない奴は通さん」とか言っているじいさんがいるが、前回プレイしたときは、バーンの杖を持って行くと「バーンの杖を持って祭壇に立てばワープできる」的な説明をしてくれたと記憶している。

 しかし今回はなぜかセリフが変わらなかった。バグ? どうでもいいので無視して先に進む。



 Lv7。ビレッタに到着。ロミナの最大HPは未だに45で危険水域。

 この辺で、カオスがいないことの弊害を嫌というほど思い知ることになる。

 このゲームでは、かなり強い敵でも、全力で戦えば1~2戦は勝つことができる。カオスがいれば戦闘終了後に毎回、回復魔法でHPを全回復出来るので全力で戦える回数が大幅に増える。そのために強行突破もしやすい。

 しかし、このパーティーは回復手段が限られている上、攻撃魔法も使えない(主人公もロミナも意外と強力な魔法を使えるが、現状ではINTが足りない。仮に使えてもMPが少ないため攻撃に回す余裕がない)。じっくりレベルを上げ、装備を調えて、安全を確保してから進めるしかない。


 カオス・マイストパーティーのときは、タロネス周辺の敵は金稼ぎに最適に感じたものだが、今のパーティーだとフェンリルが毒攻撃を仕掛けてくるのが地味に脅威。特にロミナが毒を食らって防御力を落とされ、その後攻撃されると一気に瀕死になる。


 それでもなんとか敵を退け、タロネスとメノースの分岐点に。

 先にメノースに行こうかとも思ったが、薬草が切れていて危険なので、ここは無理しないことにした。



 Lv8。タロネスに到着。

 いまさら気付いたが、ここでホークの足取りが聞ける。「私を置いて行ってしまった」的なことを言っている娘がいる。

 ホークは主人公と同じく、外なる神と戦っている正気を失った変人勇者のようだが、結局、話の上でしか出てこないようである。私は初回プレイでハルモニアかどこかで彼のウワサを聞いた際、「代わりに魔王を倒してくれたら楽でいいのに」と心の底から思った。


 タロネスを拠点にして周辺で金稼ぎやレベル上げをしたかったが、毒攻撃をしてくる敵が多く、そのたびに毒消し草を消費することになってあまり効率が良くない。あと、ロミナへの攻撃のダメージが馬鹿にならない。

 本当はメノースでチェーンメイルが買えるまで我慢しようと思っていたが、ここでロミナにリングメイルを買って、メノースへ向かう。ロミナのお下がりのティールペルツは主人公に。



 Lv10。ロミナのHPが75になり、ようやくマシになってきた。これだけあれば、ひとまず初歩的な攻撃魔法を2発食らっても死なない。


 メノースに到着。シーマシルドを全員に買う。

 この周辺に出るアグミーは戦いやすいので、しばらくここでレベル上げすることにする。


 Lv12まで上げたところで金が貯まり、チェーンメイルを買って主人公に装備。ティールペルツをバロンに。

 防御力にも少し余裕ができたところで、カギをいくつか買って、タロネスやビレッタ東のほこらなどの錠付き宝箱の金を回収しに行くことにする。


 道中の敵が意外と楽に倒せたので、ついでに力のしるしの洞窟も攻略することにした。楽勝だった。だいぶ安定してきた気がする。

 そのまま、めがみのリングの洞窟も攻略し、リングを回収する。



 Lv14。ついにロミナのHPが100を越える。とはいえ、主人公のHPの半分以下ではあるのだが。

 メノース地下の洞窟を攻略しよう……と思ったら、中の敵にバロンが一撃で40も食らったので、慌てて引き返し、装備を調えることに。

 3人ともチェーンメイル、シーマシルド。主人公はトライデント、バロンはソードのまま。バロンはソードで充分ダメージを出せる。あまり強い武器を装備させてもオーバーキルになるし、空振りが多いので投資額に見合う効果はないと判断した。

 あと、スターサファイアは売却した。どうせ天空城なんか攻略不可だろう。万一行きたくなった場合、元あった宝箱にリスポーンしているとのウワサである。


 めがみのかざりは問題なく回収。タロネスにいる魔物の口を引き裂いて、水の女神だかなんだかから、さざなみの鐘をもらう。

 これで聖杯を回収できるようになったが、今の段階で聖杯を取るとアイテム欄を圧迫するので、今は取りに行かないことにする。


 ルオールにも行けるようになったが、そのためには橋のハイドラを3匹倒す必要がある。マイストがいたときは先制でさざなみの鐘が使えたが、このパーティーだとトリプル攻撃を1回食らうのは覚悟しなければならない。ロミナが3発とも食らったら絶対死ぬ。

 ひとまずシュルクに行き、ヘルムを買って、セーブして、とりあえず試しにハイドラと戦ってみることにした。

 運良くロミナに攻撃が行かなかったため、ハイドラを倒し、ルオールに行き着くことができた。



 Lv15。ルオール。

 魔術士がいれば、ここで念願のローブが買える。安くて防御力も高い優れものだが、このパーティーでは関係のない話。


 現状では、この周辺の敵と戦うのはかなり厳しい。主人公やバロンの攻撃は10くらいしか通らないのに、敵の攻撃で50くらい食らう。ここで安定して戦うにはシュタールとシーマアックスが必要だが、金が足りない。

 そもそも前回、カオス、マイストのパーティーで挑んだときでさえ、ルオールに到着したのはLv17だった。少し早く来すぎた感がある。

 そこで、飛行石で一旦メノースまで戻り、アグミー相手に経験値と金を稼いで出直しすることにする。


 ここまでは比較的楽に来たが、このパーティーの正念場はここからだろう。ここから先は、攻撃魔法に頼れないこと、ゼライルが使えないことがかなり痛い。その上、この辺から素早さが低いことの弊害が一気に出てくるはずである。



 ルオールに戻り、経験値稼ぎがてら、砂漠にあるハズレ洞窟もついでに攻略しておく。

 この洞窟は初回プレイでは散々苦労した。迷いまくった上に、結局重要アイテムは何もないというオチ。

 ただ、宝箱から2000GP程度回収できるので、全く無駄というわけではない。特に今はレベル上げ作業中なので、気分転換にもなっていい。

 洞窟を出る頃には主人公のLvは17に到達。金も充分溜まったので、再びルオールへ。


 ルオールで、全員にシュタールを購入。主人公にシーマアックスを買い、バロンにお下がりのトライデントを装備。これで、ルオール周辺での戦闘はほぼ問題なくこなせるようになった。ただ、バロンだけでなく、主人公までよく攻撃をミスっているのが気になるが。


 次はブロアイだが、あそこはごほうせい(五芒星?)がないと店がぼったくり価格になっているので利用しづらい。

 そこで、ブロアイを飛ばして一気にマジカルキーを取りに行けないか試してみることにする。危ないようだったら飛行石で戻る。


 実際やってみると、ひとつひとつの戦闘はなんとか勝てる。このまま行けばマジカルキーも取れるんじゃないか? と思った矢先に、ダーバッドとグラウザムの混成部隊に出くわした。ダーバッドがひたすら眠らせてきて、その隙にグラウザムが殴り放題してくる。何も出来ない。

 死にかけながらもなんとか撃退したが、回復アイテムが尽きたので飛行石でルオールに撤退するしかなかった。


 ダーバット、グラウザムのコンビに出くわさなくても、途中で回復アイテムが尽きた可能性は高い。現状ではグラウザムから30前後のダメージを食らうため、回復しながら進むしかないが、ゼライルがなく、主人公とロミナのMPも少ないので、薬草を限界まで持ち込んでも、マジカルキーまで到達するのは難しそう。

 ブロアイでドラゴンシルドなどを購入すれば話は変わるかもしれないが、ぼったくり価格で買うのは気に食わない。


 それで考えた。まず、ルオール周辺でレベル上げをして、セルスを使えるようにする。その頃には金も貯まっているだろうから、その金を持ってハルモニアに行くのである。ハルモニア周辺の敵には勝てないだろうからセルスを使って強行する。町に着いたら装備を調える。

 うまく行くかわからないが、少なくとも損はしないだろう。いずれにしても、現状ではレベルも金も足りていない。



 Lv20。ロミナの能力がマシになりつつある。HPも195になり、そう簡単には死ななくなった。今までは一般市民クラスだったのが、足の遅いマイストくらいにはなった。



 Lv21。INTの上昇具合からして、Lv21でセルスが使えるようになると踏んでいたのだが、Lv22にならないと無理らしい。

 ただ、このLvになると、ブロアイ周辺の敵にも対処できるようになるので、一度試しにハルモニアを目指してみることにした。


 ブロアイ・ハルモニア間の洞窟ではエンカウントせず。


 ハルモニア周辺の敵はさすがにまだ厳しく、現状では物理攻撃はほとんどダメージが通らず、こちらは100以上食らう。運良く、出くわした敵は全て単体だったため、バーンの杖で削り倒して進み、なんとかハルモニアまで到着。


 ハルモニア到着時、金は5万程度あった。問題はそれで、武器を買うか防具を買うか、である。ライトニーは買えるが、買ってしまうと防具が揃えられなくなる。

 カオス・マイストのパーティーだったら迷わずライトニーを買ったが、バロン・ロミナは常に回復手段に悩まされるので、防具優先の方が良さそう。

 ということで、盾をドラゴンシルド、兜をシーマヘルムへと更新し、主人公の鎧だけレジールに。


 装備を購入したところで、またブロアイ・ハルモニア間の洞窟からブロアイ方面へと引き返す。

 そして、そのままマジカルキーを取りに行くことにした。たぶん守備力が上がった今なら行けるだろうと踏んだ。

 すると、ものすごく運がいいことに、東の海岸線では全く敵に出くわさず、かなり楽々とマジカルキーを入手することができた。

 

 想定外に回復アイテムを消費しなかったので、そのまま、ごほうせいのある洞窟に入り、金と魔法の羽を回収する。ごほうせいを持っている迷惑なじいさんとの戦いは、今の攻撃力だとダメージが通らない可能性が高いのでやめておく。魔法の羽は主人公に装備させる。



 Lv22になり、セルスが使えるようになる。

 どうやらセルスの効果は、マップを移動したり、病院で治療したりしても残るらしい。つまり、病院で治療を受ける前に使っておくことで、通常よりも1回多くセルスを使える。



 ブロアイ周辺で経験値を稼ぎ、Lv24に。ライトニーが買える金額が貯まったので、再びハルモニアへ。

 主人公にライトニー。お下がりのシーマアクスをバロンに。


 このパーティーの数少ない利点のひとつは、金を節約しやすい点かもしれない。魔法はどうせ使えないのでほとんど買う必要がなく、バロンは主人公のお下がりでもだいたいなんとかなる。


 続いて、セルスの連発でハルモニア西のほこらに行き、魔法の羽を回収。ロミナに装備させる。これで多少はMP不足を解消できる。


 ライトニーを装備しても、依然としてハルモニア周辺での戦闘は厳しい。特にキルエを使ってくるラミアは危ないが、複数で襲われるとどの敵でもキツい。

 ただ、現状だと、主人公はセルスを3回使える。これでなんとかカルムートに行けないだろうか、と考えた。


 ライトニーを買ったばかりなので、カルムートに着いてもろくな買い物はできない。しかし、カルムート西にあるほこらでトルースを回収できれば、かなりの戦力アップになる。

 途中で死んだらやり直しになるが、ハルモニアでセーブするので、大して巻き戻しされるわけでもない。

 挑戦する価値はあると考え、一度やってみることにした。

 ……しかし、こういうプレイは、2回目以降だからこそできるやり方ではある。初回はどこに何があるかわからないし、ミランダの像の洞窟の隠し通路に至っては、ヒントをもらってなおわかり辛いから、この時点で行けるはずがない。


 ハルモニアで病院に行く前にセルスを使っておき、ミランダの像のある洞窟へ。途中でセルスが切れるが、かけ直しはせずに強行突破を試みる。

 セルスは洞窟とカルムート周辺で使いたい。あの辺の敵は現状では勝てないだろうからである。ミランダの像の洞窟周辺の敵もキツいが、ここでセルスを使っているようでは絶対にカルムートには辿り着けない。


 インスマウスからバロンが2回攻撃をもらったり、レジール装備の主人公ですら70台のダメージを食らったりなど、かなり危険な局面は多かったが、出会った敵のほとんどはダーベロス単体か2体止まりで、なんとか対処できた。ダーベロス2体+グリフォンとかが出たらたぶん終わっていた。


 ミランダの洞窟内は、マジカルキーで扉を開けるところまでは敵に出くわさないように祈りながら進み、そこからはすぐにセルスを使い、最短距離でカルムート側への出口へ向かう。金も像もエルサーパも無視。どうせエルサーパなんかINTが足りなくて使えない。

 結局、セルス2回でミランダの像の洞窟を突破。残り1回を使って、カルムートに到着することができた。


 ここまで来れば、トルースの回収は楽。病院で治療する前にセルスを使っておけば、ほこらまでに4回分のセルスが使える。余裕で往復できる。

 トルースは主人公に、ライトニーはバロン。カルムートに戻ったらシーマアクスを売って、その金を元に盾と兜を新調した。

 カルムート周辺で戦うのはまだ無理だが、これで一気に戦力が向上した。ここから先はレベル上げも金稼ぎも、今までと比べれば格段に楽になる。


 トルースを得た今、Lv24ではまだ無理だが、そろそろネクロマンサーのことを考える段階に来ている。今まで後回しにしてきた聖杯や本やらを回収しながらレベルを上げ、装備を調えていくことになる。


 ……しかしここで、非常にまずいことに気付いてしまった。


 パーティーの持ち物枠は24。現状、主人公は装備で6つ、バロンは3つ、ロミナは4つの枠を使用している。これに、さざなみのかね、マジカルキー、バーンのつえの3つを足して16枠。

 これに、3つの聖杯と本、ごほうせいの5つを足したら21。1人1つしか物を持てないことになる。


 これは非常にまずい。このパーティーは魔法に頼れない分、消費アイテムの重要度は高い。特にネクロマンサーのある洞窟は長丁場かつ敵も強いので、薬草や魔除けの水、飛行石、できれば松明も持ち込みたいくらいである。それなのに3枠しか余裕がないの?


 3枠のうち1枠は飛行石でほぼ決まり。あれがないとネクロマンサーを回収した後に帰還が困難になる。主人公がゲルニダンを使えるようになるのはLv29だが、そもそもゲルニダン用にMPを残せる余裕があるとは思えない。

 残り2枠は薬草? となると、魔除けの水なしで行くことになるわけだが……あの洞窟ってキルエとか使ってくるのいなかったっけ?


 このパーティーの山場は越えただろうと思っていたのだが、むしろここからが本当の試練なのかもしれない。



 聖杯と本を集め、装備を調えるためにカルムート周辺でベスティーマクス相手に金稼ぎをする。

 Lv28になり、主人公がゼライル使用可、ロミナがゲルニダン使用可に。

 ロミナがここに来て急激にINTが上がってきた。ゲルニダンが使用できるようになったことで飛行石は必要なくなった。また、ごほうせいを捨てることで1枠増やした。

 それぞれに買える最強の防具を装備させ、主人公にはサクシード、バロンにトルーズを装備。

 準備が調い、いよいよネクロマンサーを復活させに行く。


 ……が。

 すっごい気合いを入れたにもかかわらず、結局、ネクロマンサーを復活させて祝福を受けるまで、一戦もしなかった。セルスが最後まで持ったのである。前回、洞窟をマッピングしていたのが役に立った。

 レジェルダーも回収。バロンに装備させる。


 というわけで、ついにラストダンジョンに突入できるようになったわけだが……このメンバーでLv28では絶対アザトースは倒せないだろう。

 とりあえず、ラストダンジョン前で回復してくれる水の女神の近くでレベル上げをする。


 しかし、どこまでレベルを上げたらラスボスを倒せるのだろうか? ゼライルが主人公しか使えないのは痛い。ボス戦では薬草を使うしかないが、果たして持つのか。

 イーガスも主人公のみ。バラムは使い手なし。

 ロミナはゼライガスが使えるらしいが、一体どれだけレベルを上げたら使えるようになるか想像も付かない。



 Lv29。とりあえず一度、邪神どもと戦ってみる。

 まずはツァトゥグァ。クトゥルフでは基本的に、海にいて触手がうにょうにょしているほど危険という法則がある。ヨグソトースやアザトースは海じゃなくて宇宙だが、クトゥルフ世界では「宇宙」には「うみ」とルビを打つのだろう。

 ツァトゥグァは森の精霊みたいなものなので、触手うにょうにょよりはマシ。


 ……だが、無理。全滅した。

 こいつはバラムを連打すれば無力化するのだが、このパーティーにはバラムの使い手がいない。すんごいキツい。そもそもLv29で戦う相手ではなかったのかもしれない。レベル上げに専念する。



 Lv31。主人公がイーガス使用可となる。

 ツァトゥグァ再戦。

 あれから作戦を考え直した。隊列をバロン、ロミナ、主人公にして、バロンが攻撃役、ロミナはずっと防御して盾役。主人公はゼライルで回復役として、隙があったら攻撃する。

 レジェルダー持ちのバロンは90程度のダメージは与えられる。時間はかかるが倒せないこともない。

 主人公を回復に専念させることで、だいぶ戦いやすくなった。なんとかツァトゥグァを撃破。Lv32にレベルアップ。


 Lv32。ナイアラトテップ戦。クトゥルフの邪神の中ではわりと良く出てくる迷惑な奴。アザトースの不出来なかわいい息子という設定らしい。アザトースを喜ばせるためにいろいろやらかすのだとか。迷惑な奴である。私は観ていないので詳しく知らないが、以前には美少女化してアニメにもなっていたようである。きっと観たら正気を失うアニメだったのだろう。

 こいつはツァトゥグァよりも楽勝。魔除けの水で魔法を反射していたら勝手に死ぬ。

 アイテムを補充するために一旦町に戻る。


 Lv34。ハストゥール戦。原作だとハストゥールは名前が出てくる程度で具体的になんなのかはよくわからない。wikiによると「闇に囁くもの」初出だそうで、「そうだっけ?」と思って読み返してみたら、確かにヨグソトースやアザトースなどと共に列挙されていた。ただ、あれじゃ名前なのか地名なのか、あるいは別の何かなのかもよくわからない。後にいろいろあって、風を司る者ということになったらしい。

 戦い方はこれまでと同じ。自分のキルエで勝手に死ぬ。


 Lv35。ロミナのHPは555になり、ラミール使用可に。もはやロミナは役立たずではない。ただ、ゼライルが使えないのは依然として大問題ではある。


 ヨグソトース戦。ヨグソトースは、宇宙とか空虚とか、そんなようなもの。物質的な存在を持っていないっぽいので、本来なら戦ってどうこうできるものではない。もっとも、今まで戦ってきた連中も、人間が戦ってどうにかできる存在ではなかったが。

 1回攻撃しかしてこないが、めちゃくちゃ素早いため、結果的に2連続、3連続攻撃になってしまう。まずは先頭のバロンを防御に専念させ、主人公がイーガスを連発して素早さを下げる。

 数回重ねがけに成功すると、主人公とロミナへの攻撃は1回攻撃になるので、こうなったらだいぶマシ。

 あとはラミールをかけておくと、たまに自分で唱えたシリバで眠る。


 バロンは死んでしまったが、ロミナを盾にして主人公でひたすら攻撃し、なんとか倒した。

 戦闘終了後、ゲルニダンで町まで戻ってバロンを蘇生。


 ついに残るはアザトースのみ……だが、アザトースは魔法反射でダメージが入らないので、かなりキツい。現状のまま戦ったら、アイテムが尽きて倒しきれない可能性が高い。

 イーガスの成功率が高ければ、だいぶ楽になるはずだが、前回、主人公とカオスの二人がかりでかけまくった経験からすると、成功率は低め。

 できればロミナがゼライガスを使えるようになるまでレベルを上げるべきだが……



 Lv35。アザトースに挑戦。

 アザトースはヨグソトースよりわけのわからん存在。この世界はアザトースの夢に過ぎないとか、知性を失っているとか、いろいろ言われているが、そもそもアザトースを知覚した人間が存在するかも疑わしいし、仮に知覚した上で生きていたとしても、正気を保ってはいないだろう。そのため、文献で言われていることの全ては憶測に過ぎない。

 本作の魔空王アザトースは、クトゥルフの邪神らしくうにょうにょしているが、ネクロマンサーでダメージを与えることができる。


 作戦は、バロンを先頭にして盾役。アイテムの続く限りは回復と魔法の水を使う。主人公は、最初はイーガスを唱えてアザトースの素早さをいくらか下げて後攻撃に。ロミナは基本的に防御に専念しつつ、バロンの補助を行う。


 この連携はまあまあうまく機能したのだが、途中でアイテムが尽きてしまい、ロミナの魔力も切れて、回復やラミールの維持が出来なくなってしまった。

 もっとレベルを上げる必要がある。



 Lv38。ラストダンジョンには単体の敵が必ず出現するマスがあるので、そこでレベル上げを行った。

 ロミナは未だにゼライガスを使えない。おそらくLv43は必要じゃないかと思う。

 だが、そんなにレベルを上げるのも大変なので、ここで再びアザトースに挑戦することにした。


 作戦はほぼ同じ。ただ、前回やられた際の感じからすると、アザトースに複数回イーガスをかけるのは難しいようなので、1回かけたら攻撃に転じることにした。


 今回はレベルが上がっていることもあって、HPに余裕があり、前回よりは少し楽な展開。しかし、ラミールをかけ忘れたせいでバロンが死んでしまった。

 またやり直しか……と思ったら、なぜか、バロンがいなくなって2人だけになった方が戦況が安定した。もしかすると、バロンを回復させるために手数を必要としなくなった分、戦いやすくなったのかもしれない。主人公は、HPが減っていたらゼライル、減っていなければ攻撃。ロミナはラミールのかけ直しか防御。このルーチンで戦い続ける。


 やがて、ロミナのMPと魔除けの水が尽き、力が及ばなかったか……と諦めかけたとき、なんと、主人公が必殺の一撃を繰り出した。1200くらいのダメージを叩き出し、アザトースを撃破。まるで漫画のようである。



 というわけで、主人公とロミナLv38、バロンLv34で、アザトースを倒し、世界に平和が訪れたけど、主人公がネクロマンサーという外なる神をも屠る危険物をその辺に埋めてしまったせいで、それを掘り返して悪用しようとする人が現れるのでした。めでたしめでたし。



 バロンとロミナのパーティーは、有力な魔法が使えないので厳しいのは厳しいが、2回目以降のプレイで攻略手順を知っているなら、そこまで無茶な編成ではないな、という印象だった。ただまあ、やはりカオスとライムの魔道士コンビを仲間にした方が楽だし楽しい気はする。



 忘れていたが、主人公の名前について。

 このゲームでは4文字で主人公の名前を付ける必要がある。デフォルトの名前はたぶんなし。また、使えるカタカナにはいくらか制限がある。

 私は基本的にデフォルトの名前を使うが、デフォルトの名前がない場合はたいがい「えにくす」にしている。ハドソンのゲームだろうが容赦なく勇者えにくす。

 ただ、畏れ多くもアザトースを討伐しようというイカれた勇者には、それなりの名前を付けるべきと考え、今回は特別に「セト」と名付けた。

 セトはエジプト神話における戦争の神。時代によって守護神とも悪神ともされる。要は、困ったときには軍神扱いして崇め奉るが、平和になったら煙たがられる存在ということである。本作の主人公の名前としてふさわしいだろう。また、アザトースを殺るならこのくらいの格の神が出張る必要があるだろうと思った。

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