第八話 界守綴編・風呂


 

 どうやら、この旅館には混浴があるみたいです。


 私としては、貴方から離れる真似はしたくありません。


 なので、今回は混浴の方で体を温めて頂きます。


 私が先に入って待っていますので、なるべく早く来て頂きたい。


 それでは、失礼します。


 ―――――スッ、スッ………シュル――――。


 ………………………。


 来られましたか。さあ、体を洗いましょう。


 ………この服ですか?湯浴みの場合を想定した……まあ一種のメイド服ですね。


 何を残念がっているのですか?………察して下さい。


 私も裸を見られるのは恥ずかしいのです………。


 さぁ体を洗いましょう。


 スポンジは持って来なかったので、今回は私の手で代用させて頂きます。


 タオルなどで体を擦ると肌が荒れる事もあるので、本当は手で洗う方が良いです。


 ボディソープを手に掛けて………泡立出せる…………。


 それでは失礼します。


 ………………………。


 義弥様は筋肉質ですね。


 運動をしているからでしょうか………。


 命を賭けた戦いですから、余分な肉があれば死地に向かう事になる。


 …………ですが死ぬ事はありません。


 私が居ますから。


 ……………あとは下半身だけですね。


 男性器も綺麗にしますよ。勃起していようと軽蔑などしませんので、ご心配なく。


 …………………。


 ふぅ、流石に熱気の籠る場所での仕事は、疲れますね。


 息が荒くなるし、汗も掻いてしまう。


 いっそ、このまま服を脱いで一緒に風呂にでも入りましょうか?


 ………では、お風呂に入って体を温めて下さい。


 ……………………。


 本日も一日、お疲れ様でした。


 このまま私は義弥様の警備を行うので、義弥様はご就寝なさってください。


 ………大丈夫です。眠った後でも、私は貴方の傍に居ますので。


 それでは義弥様、おやすみなさい。


 また明日。

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