第7話 霊山禊編・依存症発症
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何故? 何故、八峡様から担当が外れるのですか?
私に禍憑の操作方法を教えて下さる方は、八峡様が適任であると、貴方様自身も言ってたではありませんか。
飫肥先生。
あのお方は私の道標なのです。進むべき道を照らして下さる御仁なのです。
お願いします。どうか、どうかあの人を奪わないで下さい。私の全てを奪わないで下さい………。
……………いま、なんと、なんと言ったのですか?
…………すでに、八峡様は、後輩の教育を行っている、と?
私ではなく、私以外の誰かと、ですか?
そんな、嘘と、嘘と仰って下さい、私はあのお方で無ければ駄目なのです。
………………いや、嫌ッ、そんなッ、八峡様ッ、やかいさまっ!!
………………………。
―――どこに居るのですか。八峡様。
貴方の力を感じない。貴方の輪郭を捉えられない。
私の空間網羅は未熟なのですよ、八峡様。
私を鍛えて下さい。私に教えを下さい。私の傍に居て下さい。
………貴方が居なければ、私は何も出来ないのです。
八峡様………八峡様ッ…………。
…………………………。
この、感覚は………空間網羅の、線内に入るこの感覚は。
八峡様………八峡様ッ、八峡様である筈なのに……………。
誰なのですか、貴方の隣に居る方は。
何故、其処に私は居ないのですか。
八峡様………私は貴方の声で救われたのです。
貴方の声は、私の絶望を拭って下さった。
お願いします、八峡様。
―――他の方の名など、呼ばないで下さい。
その声を……私だけに向けて下さい。
八峡様……貴方は私を救って下さった。
だから今度も、私を救って下さい。
胸が……胸が疼くのです。
張り裂けそうで…………苦しい。
こんなにも悲しく………こんなにも遣る瀬無い………。
貴方を想えば想う程に、この胸は苦痛をあげる。
貴方の声が聴きたい。貴方の肌に触れたい。
あの日の様に、共に遊び回った思い出を再現して下さい。
あの日の様に救って下さい。
あの日の様に助けて下さい。
八峡様………。
………………………。
……………。
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