パラサイト・イヴ――瀬名秀明
◎ミトコンドリア遺伝子の人類への反乱
◎文庫版はあとがきが熱い
妻を事故で失った学者が最愛の人の死を受け入れられず、亡くなった妻の肝細胞を「Eve1」と名付けラボで培養し始める。しかしその肝細胞には太古より存在する利己的遺伝子イヴが含まれていた。
培養槽から抜け人に寄生したイヴは、脳を発達させ遺伝子の支配から逃れようとする人類へ反旗を翻す。人はミトコンドリア遺伝子の人類へのクーデターを食い止めることができるのか?
専門用語が次から次へと出てくるものの、読み手を退屈にさせないストーリー展開によってどんどん読み進められる。日本ホラー小説大賞の第2回受賞作品で、スクウェア(現スクエニ)でゲーム化されたこともあるので、知っている人もいるだろう。ゲームのほうは小説とはまったく違う内容になっていて、僕は友達の家でちょっとだけやったことはあるけどほとんど知らない。
そして僕が一番書きたいのは、この『パラサイト・イヴ』が文庫化された時に付属された、作者本人による数十ページにわたる「あとがき」だ。
作者はあとがきの中で『クーンツ』という作家に言及していて、クーンツに対する熱い想いをこれでもかと書き殴っていた。
このあとがきを読んだことがきっかけで、のちに僕の一番のお気に入り作家となる『クーンツ』作品に手を出すことになった。『パラサイト・イヴ』を読んでいなかったら、おそらく僕はクーンツという作家に出会っていない。まるでのちの結婚相手を紹介してくれた友人のような、感謝でいっぱいの作品なのです。
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