ベストセラー小説の書き方

◎エンターテインメント作家としての心得

◎一つの読み物としても面白い


 娯楽小説にとって最も重要なのは、テーマではなくプロット(ストーリー展開)である。僕がそういうことを知った本。


 初めて読んだクーンツの書籍。小説よりも先にクーンツのハウツー本を僕は手にした。


 アメリカのベストセラー作家が自身の小説の作り方について細かく書き込んでいる、作家志望の人間にとってありがたい本。

 時代も国も違えど、商業小説を書くにあたっての心得として必ず役に立つことが書かれているはず。僕のルーツの一つとなった本である。


 この本で僕はクーンツの「作品」よりも先に「人」を知ることができた。それが大きい。クーンツという作家はこういう人で、こういう考えで作品を書いている、ということを知ったからこそ、クーンツが書く「小説」にも興味が湧いたのだ。何も知らずにある日偶然クーンツの小説を読むことがあっても、僕はここまでクーンツを好きになることはなかったかもしれない。


 クーンツが提唱する小説の上達法は、単純明快だ。ただひたすらに「読んで、読んで、読みまくれ!」そして、「書いて、書いて、書きまくれ!」というものである。口で言うのは簡単だが、それをいかに継続して「実践」できるかが、勝負の鍵になるかもしれませんね。

 クーンツは物を書くという作業ほど大変なことはないと言っている。他のどんな重労働の仕事よりも、作家の仕事が最も消耗する、と。小説を書く人なら、きっとその大変さがわかると思います。

 ただクーンツはこうも言っている。作家は、努力をし続ければ必ず成功できる仕事である、と。この『ベストセラー小説の書き方』は、作家を目指す人を勇気づけてくれる温かい本だった。

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