この世界におけるタイムトラベル理論はどれ?――[06/24/15:40]

※この記事はネタバレに配慮して作品名を伏せたものになります。ご了承ください。


◇◇◇


これから、ちょっとした賭けに臨みます。


タイムスリップを扱った映画は数多くありますが、その中でも特に印象深いものを挙げるとすればそれは、[ネタバレ防止]シリーズ、[ネタバレ防止]、そしてロバート・A・ハインライン原作の映画[ネタバレ防止]。これら三本になるでしょうか。


いずれも名作ですので、まだご覧になってない方は是非ともご覧下さい。


さて。


はじめに申した賭けというのはつまり、過去を変えるという話にございます。


経緯を説明しましょう。無事、京都にてお嬢様と再会した私はお屋敷が百鬼夜行によってまっ平らにならされてしまったことをお伝えしました。


(再会の経緯についてはすでに投稿しましたのでそちらを参照ください。自分の文章が視界に入ると精神的苦痛を感じるのでURLは貼りません)


すると、お嬢様は少し考えてから、こう仰ったのです。


「……10G回線を使えば、この未来を変えられるんじゃない?」


10G回線は通信規格でありながら時間軸を逆行しうる超技術の産物です。たしかに、それならばあるいは。


過去の私に百鬼夜行のことを伝え、滅びの運命を回避することもできるでしょう。きっと。


そう願います。


一つ懸念があるとすれば、この世界の法則です。


[ネタバレ防止]シリーズの世界では、過去を変えればその先の未来――すなわち現在も変わりました。それはまるで、文章の記されたテキストファイルを直に書き換えるかのように。


一方、[ネタバレ防止]では過去を変えてもこの世界は、現在は何も変わらないとされていました。作中で「[ネタバレ防止]シリーズは嘘」とまで言っていましたね。これは例えるならば、時間遡行して過去を変えても、それはテキストファイルのコピーを書き換えるようなもので、大本のテキストファイルには一切変更がないということでしょう。


そして三本目、[ネタバレ防止]ですが、こちらは世界には大きな流れ――運命のようなものがあり、それに逆らうことはできない、という話に感じられました。つまり、ドラ○もんなんかで見るような話でございますが、過去を変えに行った結果、現在の状況が完成するという話です。時間遡行という行為が、テキストファイルの書き換えではなく真っ当な追記になってしまうというわけですね。余談ですが、私は『夏への扉』というSF小説が大好きです。


それはさておき、問題は世界が上記のどのパターンに当て嵌まるか、ということです。


[ネタバレ防止]シリーズならば未来――というかまあ現在なのですが――は変わることでしょう。


[ネタバレ防止]ならば平行世界の一族が救えるはずです。この世界はこのままですが、しかし無駄ではなかったと、そう、お嬢様は胸を張って誇るおつもりのようです。


[ネタバレ防止]ならば、一族が救われる世界は発生せず、この世界はそのまま。むしろ私は過去に受信したメールを無視してしまったということになりますから最悪です。


「どう転ぶにせよ、宇宙が崩壊するとかそんな大それたことにはならないと思うよ」


A氏の言葉に背中を押され、私は過去へのメールをこれから送るわけですが、いやしかし、やはり不安ですね。STEIN○;GATEよろしく、とんでもないことになってしまう可能性もないとは言い切れないわけで。


しかしそれでも、お嬢様の見出した一縷の望みを見て見ぬフリなど、できません。


気丈に振る舞う彼女の思いには応えねば。


…………それにしても、お嬢様は一体なぜ10G回線のことを知っていたのでしょうか。不思議です


  ――『つれづれなる日々』[06/24/15:40]投稿

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