第76話 邪神チャンネル おまけ 小石の行方
画面の中では、可愛らしい二人組がこの距離が丁度良いと言った感じに抱き着く様に砂浜に寝転がって居た。
「今なら不意討ち出来そうですが……」
「嫌ですよ、このタイミングで出て行ったら馬に蹴られる以前に微塵に刻んで魚の餌にされますもん」
色々台無しな提案をする英知ニャルに対してズタボロな様子のチクタクマンが不意打ちを拒絶する。
「残念、まあこのまま映しておいた方が取れ高は良さそうです」
と言うか見て居る側としても此奴らがかなり五月蠅い。
浜辺の二人に画面が戻る、揃って笑みを浮かべ、キスもそれ以上も出来そうな距離だが、特にもどかしい様子も無く、銀髪で狐耳の少女、葛の葉狐が其のまま寝息を立て始める、黒髪の少年はまあ良いかと言った様子で抱き締める様に手を動かした所で。
スマホが鳴って居た。
其のまま着信を受ける少年。
「いけませんねえ、無粋なお邪魔蟲です」
実況のニャルが余計な事を言う。どちらかと言うと、このニャル達自体がお邪魔蟲だが、其方を突っ込むだけ無駄なのだと思う。
画面の中では通話の途中で狐耳をピクリと動かして不機嫌そうに葛の葉が起き上がると、画面と言うかカメラに向かって小石らしい何かを投げつけた。
バキ!
ギャア
画面と言うかカメラに罅が入り、何とも言えない叫び声を上げながら其のまま海底に没した。
「1カメのシャンタク鳥が落とされました?! 気が付かれましたね?」
ニャルが悪い事をしたと言う様子も無くニヤニヤ笑いながら事実を確認する。
確かシャンタク鳥はニャルラトホテプ眷属の馬顔の鳥っぽい生き物の筈だが、あっさり落とされたらしい。
「大丈夫です、予備は未だ有ります」
自信満々と言った様子で別視点、2カメに切り替わる。
船の近くのカメラだった。
一瞬投擲ポースの男の人が写ったと思うと同時に、棒状の何かが写ったと思うと、棒状の何かは段々と小さくなり。
ドス
バキ
ギャア
何とも言えない効果音と叫び声と共にカメラが海底に没する。
「2カメのジャブジャブ鳥まで気が付かれました!?」
当然と言うか、やはり盗撮の類らしい。何故アリスの世界のアレ迄居るのか……
「ですが、3カメも……」
切り替わった瞬間、巨大な牙が並んだ口の内側が写った。
バギ ゴリ ゴキ
ギャアギャア
バシャーン
カメラ事巨大な口に噛み付かれて其のまま大きな水音と共に海底に没した。
ハハハハハハ!
笑い声の様な鳴き声が聞こえるが、もう画面には何も映らなかった。
「3カメ担当のクームヤーガさーん?!」
確かシャンタク鳥のボス枠の筈だが、其のまま巨大オオカワウソに噛み付かれて海底に没したらしい。
「全部落とされてしまったのでこの辺でお開き、また次回のお楽しみ」
どこぞの長寿番組の様なひきで画面が終了した。
「邪神チャンネルを宜しく!」
決め台詞は有ったが、相変わらずリンクも何も残って居なかった。
追伸
言うまでも無く、葛の葉の小石、部長の棒手裏剣、キングオオカワウソに捕食と言う流れと成って居ます。
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