第4話(1)俺とお前、どっちが俺のことを好きか

俺はその後家に帰ってそのノートを一通り読んだ。自分で知らなかったことも書いてあったし、ここは俺のチャームポイントだろぉ!?みたいな所が書いてなかったり。でも、読んでてすごく楽しかった。

最近の嫌がらせはきっとこの子だ。それにこの子はこんなに俺の事を知ってるなんてストーカーなり盗撮なりしてるんだろう。不法侵入とか合鍵とか犯罪をしてる可能性だってある。だが、


こんな子がいる。こんなにも俺のことを知って、愛してくれて、欲してくれる子がいる。俺以外にも。俺以外にも俺のことを求めてくれるやつがいる。


そんなことを考えるだけで興奮した。胸が熱くなった。もう八舞さんを彼女にしていいとも思った。


だが、俺のことをもっと知ってるやつはきっといる。それこそファンクラブの奴らはこれくらい知っているのかもしれない。プライベートなことには関わらないだけでどこかで見てるかもしれない。だが、八舞さんは俺に思いを伝えてくれた。しっかりと下調べをしてくれた。この点は彼女達とは違うし、評価すべき点だ。


だが、付き合うのは怖い。まだそれだけで信頼するなんて無理だ。犯罪者だぞ?いや、犯罪してるかは知らんが、盗撮、不法侵入、ストーカー。きっと立派な犯罪をしてる。そんなのを彼女にする?馬鹿じゃねえの・・・


こんなことを横になりながら考える。でも、そんな彼女を特別に思ってる自分もいて。信頼できないからダメなんて言う自分もいて。案外俺ってチョロインなのかもな。


翌朝、起きて学校へ行く。今日はラブレターが三通入っていた。ちゃんと入ってることに安堵しつつ、(隣で謙が舌打ちしたのは放っておいて)教室へ入る。そして朝礼が始まろうとしたその時、

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