「愛してる」はまだ早いけれど
おきた狂
男女の友情でも恋でもない話
突然だった。彼からパッタリ連絡が来なくなったのは。
最初は、たまたま忙しいのかなと思って連絡を待ったりこちらから連絡してみたりしたのだが彼からのメッセージはそっけなくてこれ以上傷つくのが怖くてある日を境にこちらからからの連絡を止めた。
それからは謎のモヤモヤで心がいっぱいだった。この気持ちになんていう名をつけていいかわからなかった。
彼とは友人の紹介で知り合った。何度か友人を介して話してたが、初めて2人で話したときにぴったりな価値観に感動して意気投合したのを今も覚えている。
そこから急接近してお互いが休みの日は夜中まで電話した。どちらかが寝るまでくだらないたわいもない話をした。その中で彼が今ハマってるという曲を教えてもらったことがあった。
その曲は最初に聴いた印象としては恋人同士の女側が男との距離を感じて寂しく感じているという感じだった。だけどなぜかそれにしては2人の距離を感じる歌詞だった。
それを音楽アプリのプレイリストに保存していたので暇つぶしに聞いてみた。
するとまるでその曲が私自身に入り込んだかのようにストンと今の自分自身の気持ちがわかった。
私は彼を1人の友人だと思っている。今もその気持ちは変わらない。だから愛してるという言葉は早いだろう。同時に大切で大好きな人なのだ。今の私の全ての言葉がその曲にある気がした。彼との関係はなんて呼んでよいか迷うような曖昧で不確かなものだが、恋とはまだ言い難いこの不思議な感情も彼に曲と共に巡り巡って教えてもらった気がした。
「愛してる」はまだ早いけれど おきた狂 @Soms-05
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