(コラム)私の名曲~思い出を添えて~

二輪ほむら

私の洋楽入門 Queen「Killer Queen」

 読者の皆さんは、Queen(クイーン)というバンドを知っているだろうか。CMに曲が使われているし、映画「ボヘミアン・ラプソディ」も大ヒットしたので、知っている人は多いと思う。映画がヒットして初めて知った人もいるだろう。

 しかし、私がクイーンを知ったのは、映画からでもCMからでもなかった。

 

 私がクイーンというバンドを知ったのは、中学校3年の頃だった。

 当時の私は荒木飛呂彦の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」に興味があった。ネットでよく取り上げられるような独特の台詞に惹かれたのだ。最も有名な台詞は「だが断る」だろうか。

 キャラクターやスタンド(作者曰く、超能力を目に見える形で表現したもの)の元ネタに洋楽が使われていると知り、その元ネタとなった曲を聴いてみたくなった。


 最初に聴いた曲は、クイーンの「キラー・クイーン」だった。他にはAC/DCなども聴いたが、それはまた別の話。

 まず私の心に響いたのは、フレディ・マーキュリーのボーカルだった。上流階級の社交場を思わせる上品できらびやかな雰囲気を感じた。ピアノとコーラスも、音数が多いわけではないが、春の日の出にも似た柔らかな輝きがある。

 今回これを書くために久しぶりに聴いてみた。当時は気づかなかったが、ギターの存在感が意外と大きかった。

 決して全面に出ているわけではない。間奏のギターソロもそんなに長くない。派手な速弾きもない。あくまでもフレディの歌に寄り添うギターなのだ。

 ピアノもギターも、音数が少ないのにこれほどの表現力があるというのはなかなかない。歌メロもすぐに覚えられるほどキャッチーだ。最小のフレーズに最大の情感。ヒットソングに限らず、表現の理想形の一つだろう。


 私は、今でもクイーンを始めとするロックをよく聴いている。そして、色々なミュージシャンを知って、その音楽からインスパイアされることも多い。

 そういう意味では、私の創作のルーツの一つとも言える。

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