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俺達は飲食店にいる。ちょうど今は品が出るのを待っていた。
「2人はこれからどうするの?」
きんが俺達2人今後のことを聞いてきた。まあ、あそこまで話をしたら気になるよな。俺達2人に今後予定なんてものはないのだがどう答えるか。
「私達はなるべく早く婚姻届を出そうと思ってるよ」
「いや、そう言うことじゃなくて、彼女は家出したままで同棲してる状態なんでしょ?ちゃんと親に連絡とかはしたのかとか」
「それは大丈夫。置き手紙も残したし、LINBで家出しますって連絡入れておいたからきっと大丈夫」
「・・・え、それって...」
「もうそれ以上は言わないでくれ。これがガチなんだ」
女の子がいきなり家出すると、しかも直接言わずに勝手に置き手紙おいて家に帰ってこなくなったら不安だろうな。いや、まず今日発覚したことを考えるとそろそろ俺達のことは割り出されるかもしれないな。
ブルル
連絡通知が届いた。こんなタイミングで?俺は嫌な予感がした。
「ん、誰だ?」
俺は恐る恐る確認してみる。
「・・・」
「どうしたの?」
隣に座っている彼女が多分、俺のまずそうな顔を見て聞いてきた。
あ、並びの配置は俺と彼女が同じ座席に座っていて、きんが俺達2人とは対面する形でテーブルを挟んだ向こう側の席に座っている。
こんなことはどうでもいい。
「なにかまずいことでも起きた?」
きんも俺の表情を見てか聞いてきた。
「中学のころのやつらから通知がたくさん来てる」
「え、それって」
「まあ、関係ない」
俺はそう言ってスマホをポケットにしまった。
その後、俺達は店を後にしてきんに家まで送ってもらった。
「今日は久しぶりに会えて楽しかった。送ってくれてありがとう」
俺は車から出る際にきんに向かってお礼を言った。
「俺もだよ。また、誘うから」
「おう、いつでも誘ってよ」
「でも、今日は彼女連れてくるとは思ってなかったからびっくりした」
「そこはいきなりでごめん。今日のことは誰にも話さないように」
「分かった」
「今日はありがとうね」
彼女もきんにお礼を言った。
「いえいえ、どういたしまして」
「それじゃぁ、また」
「おう、また」
きんはそう言葉を残して走り去って行った。いつまでも車をそこにとめておくわけにはいかないからな。
俺達2人はきんにいつまでも手を振った。車が見えなくなるまで。
ブルル
俺は音が鳴ったから自分のスマホを確認する。しかし、俺じゃなかった。彼女の方を見ていると彼女はスマホを覗き込んでいた。
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