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「面白かったねー」

「うん、面白かった」

映画が終わって俺たち3人は映画館を後にしようとしていた所だ。

「ちょっと」

きんが俺をこついてきた。

「普通に上映中静かだったけど」

「俺のこの2週間の調教が効いたみたいだわ」

「調教??!!」

きんが明らかに引いた顔をして後退りする。

「いや、考えているような卑猥なことじゃないから」

「調教ってだけでなんだろうといい顔はされないでしょ」

俺は少し頭を掻いてこの調教の誤解を解くことに決めた。

「俺達2人、付き合ってから一緒に家にいる時間が長くてさ。デートにもまだ一回しか行ってないし、バイト以外だとずっと一緒だったんだよ」

「それが?」

「それで俺冬の間に溜めたアニメを観てたんだよ。彼女と一緒に。もう個人の時間も拘束されるならなんでもいいかと思って俺アニメを同じ部屋で観てたら彼女ハマっちゃって」

「え?」

「それでずっと一緒にアニメ観てたんだよ。結果かなりハマって今じゃ沼にハマりかけてるぐらい」

「調教ってそう言うこと?」

「そう、そう言うこと。彼女は作品に対して観る方に今は興味が高くあるから上映中も大人しかったってわけ。ある意味成功した」

「なるほどね」

「2人とも何話してるの?」

「いや、この2週間で大分お前も俺に侵食されたなって。だって今までアニメとか観るタイプじゃなかったのに」

「確かにそうだね。でも、一緒に観てたら面白いと思っちゃってハマっちゃった。すごく面白いよね!!」

彼女はきんに身を乗り出すように同意を求めた。正直、俺が止めるべきだった。

「う、うん。アニメ面白いよね」

「日本の文化って言う意味が今更になってやっと分かったんだよー」

この後、俺達3人は飯を食いに行った。

次回へ続く。

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