Page 16

俺は黙って下を見つめている。もう彼女にいうことはないからだ。

「・・・どっちから襲っただろうと関係なく、ちゃんと責任は取ってもらうからね」

彼女は下を向いている俺に対してそう言った。俺は顔を上げて彼女の顔を覗き込んでみた。そうすると、彼女は顔を赤くしてあらぬ方向に目線がいっていた。まあ、まず俺達2人ともずっと裸でもう完全に覚めてる状況だからそれなりに恥ずかしい状況ではあるんだがな。

「うん、絶対に責任は取らせてもらう。でも、やっぱり信じて欲しい。俺がさっき言ったことを。俺は君をホテルに連れ込んでチャンスだとばかりに無理やり犯したりしてないし、その事実を君になすりつけるつもりもないから」

俺は最後の主張をしてみた。まあ、こんな主張をしたところでやってしまったものはやつまでしまったのだから時の流れに任せるしかない。

「・・・そんなに推していうってことは本当なんだね。私からっていうの...」

彼女の様子が少しおかしいどうしたのだろうか。

「どうかしたの?」

「・・・もし、さっきの話が本当ならごめんね。私が巻き込んじゃって」

「ん?」

ん?どいうことだ?何が言いたいんだ?

「私...実は昨日危険日だったんだよ...」

彼女はかなり低いテンションでそう言った。

「へ、え?いや、でも、昨日大丈夫って...たしかに、俺の記憶がある限りでは最後に『責任取ってよねぇ』とか言ってたけど...あの時、ガチっぽい顔したからもしかして本当は安全日じゃない?ってなったけど今日の朝の状況みたらそんなわけないかっておもってその線を消してたんけど...マジ?」

「うん、マジだよー」

彼女は笑顔で俺に堂々と言い切った。

「だから、どっちかとか関係なく責任はしっかり取ってもらうからね。とってもらわないと」

俺に降りかかる衝撃的な真実!いや、普通はこんなことにならないよな。しっかりとそういうことに対してはケアしていくのが普通だよな!俺達何やってんだ...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る