第8話 完全発狂
その日の晩、僕はとめどなく流れる幻聴によって活動不可能なまでに発狂し、入院した。
入院は長期の二年にわたり、僕はそこで聖書を読みながら小説を書いて時間をつぶしていた。
二年後、退院したとは言え、最早僕に生活能力はなかった。
いつまたあの幻聴が襲ってくるかもわからないのだ。
結果、十数年で5.6度の入院、しかも、最近の二度の入院がひどかった。
文字通り幻覚をみたのだ。
昼間、寝ているときに妙にリアルな夢を見ることがあるようになった。
それに似ていたが、意識は混濁してあまり多くを覚えていない。
印象にのこっているのは、彼らは黙示録決戦に強い拘りを持っていたこと。
そして、隣に寝ていた謎のアラブ人。
僕が思うに、あのアラブ人はベルゼブブと呼ばれ貶められたバアル神なのだ。
彼と僕との平和ために言うが、バアル神は繁栄の神であって、人類を害することはないだろう。
僕の人生は初めから狂気を孕んでいた。 木村さねちか @Verdy323
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