夏の全国高校麩菓子選手権
弁天留星 融田(ベテルボシ・トロケダ)
第1話 夏のとしまえん
「決まりました!他を寄せつけぬ圧倒的な強さを見せ付け優勝したのは!京都府立みちょぱす高校です!」
試合終了を告げるサイレンがスタジアムに鳴り響くと、五人の麸児達が抱き合い、互いが互いを讃え合う。
「すごいや…!麩菓子ってこんなに人の心を熱くできるものなんだ……っ!」
異様な熱気に包まれた超満員の客席で、爪跡が残る程強く拳を握り締める少年が一人居た。
純粋なるこの幼き少年はまだ知らぬ。華やかなる優勝校チームのその下には、夢破れ散っていった数多の骸の山が在る事を。
「僕もいつか絶対、麩菓子で人を感動させられるすごい選手になって見せる!」
競技麩菓子の過酷さ、残酷さを知りもせず、ただ目を輝かせ強く心に誓うこの少年の名は「富樫須喜朗(フガシスキロー)」。未だ何者でもない凡百たるこの少年が麩菓子と出会い、何を得るのか。これはその成長の物語である。
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