私の趣味は、小説を読む事だ。

一年間で、50作品は読んでいるだろう。

ジャンルは、推理小説、恋愛もの、SF

何でも読む。

中でも、ホラー小説を私は好んでよく読む。

そして昨晩から、

私は不思議な体験をしている。


私は、家族を連れて実家へと帰省している。

私の田舎は、山奥にあり、

母はそこに一人で住んでいる。


母一人で住むには、広すぎるこの家は、

築80年以上の古民家だ。


この広い和室に、家族3人布団を引いて、

川の字になって寝ている。

母は、自分の部屋で一人で寝ている。


子供は昼間に川や、山で散々遊んだので、

ぐっすりと眠っている。



いま、私は、本を読んでいる。

手元のライトだけなので少し暗いが、

何とか読めない事はない。


寝るに本を読むのも私の日課だ。


しかし、何度も言うが、

不思議な事が起こっている。


挟んだ栞の位置が少しずつ変わっているのだ。


一昨日は、4ページ進んでいた。

昨日は、6ページ戻っていた。


初めは勘違いかと思っていたが、

今日確信した、勘違いではない。


今日、2ページまた戻っていた。

日中は持ち運んでいないので、勝手に変わる事は無いはずだ。



そんな事を考えているうちに、どうやら眠ってしまっていたようだ。


気付いたら、朝になっていた。

子供と妻はもう起きているらしい。


遠くで、私を呼ぶ声が聞こえた。


「博史さん朝ごはんできてるわよ。」


「おお、今行く。」


私は、朝食が準備されている机に座った。


「拓也はどうした?」


「拓也ったら、もうこっちで友達できたみたいで、もう出かけちゃったわよ。」


「そうか。」


「博史!あんたもいつまでも寝てないで、家の掃除の一つでもしたらどうなんだい?」


「母さん、俺はここに羽を伸ばしに来てるの」


「全く。あんたは昔からそうなんだから。」



「ところで、あんたの持ってきた小説。あれ面白いね。」

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