幼馴染を好きって言ったら、急に周りからモテる様になりました。

とら

第1話

照りつける太陽、アスファルト上ゆれる陽炎


茹だるような暑さが僕の体力を少しずつだが着実に奪っていく。


「…よし、告白するぞ今日」


夏のとある日の通学路、僕は決意した。


あまりの暑さに脳がやられてしまったのか、否そうじゃない。


いつもの通学路、隣を歩く君がいないそんな今日、君への気持ちを再確認できた。


僕は今日、君と幼馴染の関係を終わらせようと思う。


高校に着くや否や直ぐに隣の教室に向かった。


他クラスに入る時はやはり少し緊張するのか少し遠慮気味に後ろの扉からゆっくりと入ると同時に


「…おじゃまします」


なんて、か細い声で申し訳程度に呟いた。


窓際後ろの席、君を見かけると一目散に駆け寄った


「歌恋いま大丈夫?」


「あっれー、理玖じゃん珍しい。どしたの?」


第二ボタンまで開けられた白いシャツ、ちらちら視界に映る白い肌


学校規定よりも短くされたであろうスカート


側から見ると所謂ギャルの彼女と、どちらかと言うとインキャに分類される僕の接点はないように見える。


「いま陽菜いないよね?」


「なーんだ、私に会いにきたんじゃないんだ」


なんて見るからに不機嫌になる彼女になんて声をかけて良いかわからずもごもごするだけの僕、紳士的に諭すことが出来れば違った人生歩んでたのかな


「まだ帰って来てないけどどうしたの?」


「あのさ、実はなんだけど…」


僕は喋った、幼馴染みである陽菜の事が好きな事を


十数年想い続けたモノを彼女に伝える事を


それで恋愛経験が豊富そうで陽菜の友達でもある歌恋にアドバイスを貰おうと思ってここに来たことを


「…ずるい」


眼前の女子は俯き加減に言った


「な、なにが?」


乙女心のオの字も理解できてない僕は彼女に問うしか無かった。


「私だって理玖のことが好きなのに…私にもチャンスない?」


なーにこの可愛い生き物、なんでほっぺた真っ赤にしてんのよ


やーば、惚れてまうやろ…じゃなかった


「えーっと…冗談だよ、ね?」


「決めた」


歌恋はこちらに向き直し何かを決意したかのような眼で僕を見る


「…私、陽菜には負けないから。必ず理玖に私の事好きって言わせるから。これが宣戦布告‥だから//」


ん?何がどうなってんの?


どうやら波乱万丈の生活ルビを入力…が始まるみたいです

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幼馴染を好きって言ったら、急に周りからモテる様になりました。 とら @toratoratora029

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