東日本大震災

飯ワシワシ食うオフ

『飯ワシワシ食うオフ』


 これにのった!


 あの後、安全圏と思われる彼女持ちのうさぎくんに電話した。


「お前に………告白する男……ふーん」


 なんだよ、その返答は。

 モテないのは百も承知なの!モテないから慣れてないの!わかる!?

 傷付いてるの!

 友達が豹変するなら、もうモテなくていいの!ドイツもコイツもステップ端折ってんじゃねーよ!


「んじゃ、もう女子力、要らないね!」とうさぎくんが笑う。


「あぁ、女子力は結局今も無い!」

「俺ずっと思ってたんだけど、やっぱり初対面で大食いはビビるよ…しかも、映画とかもっと明るいの観ようよ…」

「それはうさぎくんの好みじゃんか…」

「いや、せめて大食いと大酒は辞めよう!二回目からでいいでしょ!だからジョリさんみたいなのに判断鈍ったんだよ!最初からついて行くなよ…」


 オバケ君の一件、言ったら怒りそうだな…。黙ってよう!


「わかった!じゃあ、最初から飲み食いするオフに行くわ!」

「だから、それでmixiオフでああなったんでしょ!」


 すみません!

 すみません!


「せめて、お酒は飲まないオフで」と言う提案で可決。


 そして至る。


『飯ワシワシ食うオフ』

 場所は駅から少し離れたファミレス。


 時刻は13時。

 昼は混雑するため、1時間ずらしたのだ。ファミレスの向かい側にある個人店の中華屋さんの方が美味しいんだけどなぁ…。


 駐車場で待ち合わせ。


 男性一人、女性が一人。

 参加者は意外と少なかった。


 キノコ君、地味男。

 黒髪のマッシュルームカットに黒いトレーナー。ネズミ色のズボンとサンダル。

 ワシワシ食うからな。

 楽な格好で来たのか?


 女性はメロンさん。

 柄物のキャミソールからはみ出んばかりの白いおっぱい。白いミニスカートで、おそらく黒いパンティが透けている。おしゃれって言うか、不潔っぽい派手。


 2人とも痩せ型だな。

 同僚君もそうだけど、痩せてる人ほど食べる気がする。この2人もそうなのかな?

 ボックス席に座る。

 私が窓際。背もたれ挟んで後ろは壁。

 隣にキノコ君が座る。

 テーブル挟んで向かいにメロンさん。空いた席に小さめのキャリーバッグ。


 別会計である。

 じゃんじゃん頼もう。


「ミックスお肉単品で一つ。パスタとグラタン、ピザとサラダボール一つ」


 まずはこんなもんで様子見よう。


 続いてキノコ君。

「ハンバーグセット一つ。フライドポテトとドリンクバー」

 メロンさん。

「パンケーキとドリンクバーのセット一つ。サラダバー一つ」


「以上で」


 んん?割と少食だな。

 いや、別に大食いオフとは言ってないしな。それにサラダバー。これをめっちゃ食う人もいるからなぁ。わからんぞ?


「フライドポテト、食べていいよ!」

 キノコ君が差し出す。

「ありがとう」

 メロンさんも無言で食べる。


 勘が働くのだ。


 この2人、初対面じゃないなぁ。


 席につく時も、「どう座ります?」ってなるよね、オフ会って。自己紹介もないし、私が切り出すのを待ってる感じでもない。

 無言で席を離れ、サラダバーから戻るメロンさん。

 なにか話そうかな。

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