理想医

 医者に会う。


 初めて見る医者。


 高齢とか色々インパクトはあるけど、何より一言で言うと、音楽室に張ってあるベートーヴェンにそっくり!


(めっちゃかっこいい!)


 ベートーヴェンが取り敢えず、私のお薬手帳を見る。


 顔が険しくなった!

 ベートーヴェンだ!!


「うちで治療するのね?」

「はい、お願いします!」


 お薬手帳を置くとこう切り出してきた。


「前の病院さんね。ここ、2度と行かないように!」


 そうそう!そーゆー物言いだよ!

 もっと命令してハァハァ!!


「薬ね。これ全部変えるから!」


 ハァハァ………はっ!?えっ!全部?


「大丈夫。信じなさい!」


 はい、喜んでーーーーーーー!

 なんだかな。


 うちの母親は愚痴も聞いてもらいたいタイプだからな。余計にこの人とは相性が合わなかったんだろうな。


 取り敢えず、禁煙、禁酒もしたかったけど、突然全部は無理と言うことで、気分の変動の治療と、散財する事について治療が先となった。

 薬はたった3種プラス眠剤だけとなる。

 やったー!

 しかも、

「あなたまだ若いし、なるべく太らない薬に変えるから」

 と言う。

 有能すぎる…。


 この後、この話を聞いた母がベートーヴェンに「ババアは太ってもいいのかよ」ってイチャモンつけに行った。

 恥ずかしいからやめてお母さん。


 帰りがけに、うさぎくんから電話が来た。


「ごめん!今近くのゲーセンにいるんだけどさ!」


 え!彼女さん病院は!?


 なんか嫌な予感するな!


 うさぎくん、無理に彼女を病院に連れて行くつもりなのかもな。


「精神科なんて行きたくないわよ!」

「だって記憶が飛ぶっておかしいじゃん!」

「余計なことしないでよ!」


 で、結局浮気でしたーとか。


「私はどうすれば…?」

「取り敢えず紹介だけでもするから!」

「おう、わかった」


 ゲーセンに到着。


 喧嘩とかになってなきゃいいけど。


 不安をかき消す為、入口にあった射撃ゲームでゾンビを撃ちまくる!

 うひゃひゃひゃひゃひゃ!!

 はぁ、スッキリ。

 なんだっけ?あ、うさぎくんか。


 んじゃ行くか。


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