美味しいお店巡るサークル2
うーん、今のところもトラブルも自身には降り掛かってないし、次も来ようかなぁ…。
「さぁ行こうか!」
帰り際に、ジョリが私を車で送るという。
うわ、マジか。
しかも、飲酒運転だ。
確かに終電ないけど、タクシー代持ってきたし。
「いえ、私はタクシーで帰ります!」
「セイユちゃん、タクシー代金一万近く行くよ!?大丈夫だよ。ちゃんと送るって!」
マリと愉快な男達が、姿を消すと、ジョリは世間話を織り交ぜながら、言葉巧みに私を帰らせる機会を与えない。
テンションがダダ下がりして行く。
せっかく面白そうだと思ったのに、ここでジョリが口説いてくるとなると…興醒めだわ。
歩いてるうちだんだん、酔いも周り、途中のコンビニで酒を購入。もうこのまま飲んじまえ!
もう一刻も早く帰りたい。
予想外のこのコミュニティのスタンスに、無性に腹が立ってきた。
美味しいお店をひたすら巡る?!
アホか!
男と、女が顔突き合わせたら、直ぐチンだのマンだのと。
やがて、立体駐車場に着き、ジョリの車に促される。
だが、私が車に触れる前に、ジョリが立ちはだかる!
今度は何!?
「セイユさん……初対面の男の車に乗る、その意味が分かるかい?
ここで乗ったら、今日は家に返さないよ」
知らねーよ!
おいコラ、結局てめぇも出会い厨かよ。
回っていた酒がより血管の中で煮えたぎる。
もう自分でもよくわかんない。
「てめぇこの不倫野郎が!分かるんだよ舐めんじゃねぇ!既婚臭だよ糞が!
古くせぇんだよトレンディ野郎!」
一瞬、顔が強ばっていたが、ジョリは無言で車に乗ると、私を置いて帰っていった。
クソっ、腹の虫収まんねぇ!
車が見えなくなるまで思いつく限りの暴言を吐いた。
あああああ!腹立つよぉっ!!
タクシーに乗り、まずはうさぎくんに無事の報告。
私はそのまま近くのスーパー銭湯へ向かった。
二本目の缶ビールを飲みながら、ボサッとする。
ふむ………あのジョリが女に手を出さないはずがない。しかし、あの三人を肴に眺める……その余裕はなんだ?
それはつまり………。
こうなりゃジョリを玩具にしてやる!
しばし悪い癖が出た。
「もしもし!」
ミサに電話をかけてみた。
まだ男とモモと一緒なようだった。
今日の予定のため、ミサだけは電話でやり取りをしていたのだ。
「セイユちゃん!二次会行った?ちゃんと帰れた?」
「それが……ジョリさんにホテルに誘われて…」
「えっ!?」
「断ったら、取り残されちゃいましたぁぁぁぐすん」
「はぁーーー!?」
「今、近くの銭湯まで来たんです…ここなら人も多いし、始発を待って朝まで居ます…」
「………そんな!」
ふーん。
少なくとも今までそんな事は無かったんだな。
と言うことは、モモのあの視線が気になる。ジョリの隣に座ったしなぁ…。
電話をきると同時に、心配したうさぎくんとナルシくんが銭湯のフロアまで迎えに来ていた。
大丈夫、大丈夫、酔ってないよ!
銭湯でワンカップを買ったくらいまでは記憶があるが、気が付くと路上に寝ていた。
おっと、車に轢かれちゃ大変だ!
でも、どうにもこうにも足腰立たない。
手頃な場所に電柱がありしがみつく。
なんだ、うちの近所だな。
よっこらしょ。
「ちょっと大丈夫かいっ!」
なんだ電柱が喋ったぞ。
そんなこんなで。
酔いが覚めると、自室におり、二日酔いと共に1日を過ごしたのである。
バッグにキャベツーが入ってる。
うさぎくんスゲェ。
そしてこの日を境に、ナルシくんとは疎遠になった…ごめんナルシくん!
後日、ミサから電話があった。
「私、実はジョリさんと付き合ってたの!」
だはーーー!!予想通りだわ!絶対誰かとデキてるから引っ掻き回して楽しもうと思ったけど。
よりによってお前かよ。
主催者二人が出来てて、尚且つ婚活してる……?ジョリはやるだけやって、婚活って訳でもない。その理由は明確だ。奴は遊べればいいのだから。
ガッカリだよ!
もう次は行かなくてもいいわ。
うん。一生やってろよ。責めないからさ!
「で、今回のでアイツ全部白状してさぁ!」
「白状ですか…?」
はいはい把握。
「結婚してて、子供3人もいたのぉ!!」
「あー……」
なんて言えばいいの。
慰めろってか?
お前もジョリと付き合ってんなら、モモにアイツくれてやれよ…。
マリに電話してこっちを弄ればよかったなぁ…。
まぁ、私はもうお腹いっぱいです。
不倫なんてなんの身にもならん。
ミサさんも、もうやめなよって言いたいけど、まあ、そんな筋合い無いか。
「でね?ジョリも今回は反省してるみたいだし、来月も来てくれる?」
ズコー!ダメだコリャ。
私は無言で電話をきると、そのままコミュニティを退会した。
次はもっと、うまく吟味しよう……。
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