異世界魔女との魔法生活
桜水 奏
第1話 異世界からの来訪者
俺、
することもなくスマホをいじりながらソファーに寝転んでなんとか暇を潰して非生産的な一日を過ごしている
「はぁー今日はバイトも大学もなくて暇だ...」
すると突然外から風を切る大きな音が聞こえる
俺はスリッパを履いてベランダに出て外を確認すると、何か黒いものがこちらへ飛んでくる
「なんだ...鳥か?」
目を凝らしてその黒い何かを見ているといきなり勢いを上げてこちらへ向かってきた
俺は身の危険を感じてギリギリのところで身をかがめてそれをかわした...がそれと同時に窓ガラスの割れるガシャンという大きな音がした。
俺は両手で頭を守りながら割れたガラスの方を見る
すると、部屋の中には、背丈が低く髪は肩より少し伸びた銀髪の少女が仰向けで倒れていた
「なんで、空から少女が?」
俺はガラスがあまり飛び散っていないところを歩きながら少女へ近づくとパッと少女が月のような黄色の目を開けた
そして、いきなり立ち上がりこちらへ短剣を向けた
「あなたも私を殺しにきたんですか?」
俺は両手を上げて降参のポーズをとる
「な...なんの話だ?殺す?」
少女はこちらをじっと見つめてこちらを睨みながら俺に疑いの眼差しを向ける
「待て!なんで君が殺されるんだ?それからなんで空から!?」
「あなたは魔法の事を知らないんですか?」
俺は魔法という単語を聞いて普通なら存在を信じないが空から来た彼女を見て信じないって言う人はいないだろう...
俺は勢いよく首を横に振る
すると突然先程割れた窓から白のローブをまとって深くフードを被った二人の男が入ってきた
「なんだこいつら!?どこから?」
少女は焦ったような顔をして二人の男性を見ながら俺の横に並んだ
「その反応を見る限り、あなたは本当に知らないようですね...」
すると、一人の男性が右手を前に出す
「……
と男性が呪文?のようなものを唱えると手のひらからボールくらいの大きさの炎が出現した
そして、こちらを目掛けて飛んでくる
俺は身を防ぐように両腕で頭を守る
「
横からも呪文を唱える声が聞こえた
俺は薄目で前を見ると半透明の壁がその炎から俺たちを守ってくれていた
「助けてくれたのか?」
彼女は右手を前に出しながら俺とは反対の方に顔をぷいっと向ける
「違う...あなたはこいつらの仲間じゃ無いってわかったので、見殺しにするのは可哀想だと思っただけです...」
すると彼女は先程よりも右手を強く前に出した
俺たちを守っている壁が素早く前に動き炎を出した男を勢いよく部屋の壁まで追いやり部屋の壁と衝突させて気絶させた
隣にいた男性がそれを見て焦ったように右手を前に出すが先に彼女が指パッチンをした
「
前の男は少し痙攣を起こしてから床に倒れた
俺は倒れた男性2人を指差しながら彼女に質問をした
「なあ、こいつらはなんなんだ?」
「この人達の正体は私にも分かりません...」
俺は深くため息を着いてから質問を繰り返した
「じゃあ、なんで追われてるんだ?」
「追われている理由は私にも分かりません...
でも、その人が私を殺そうとしてるのは分かってます...」
「いつからなんだ?」
「ずっと前からです...こっちの世界にこれば逃げ切れると思ったのですが...」
「こっちの世界?」
「私は向こうの世界から来ましたから...」
「異世界的なやつか?」
「私から見ればこちらが異世界ですが、まぁそんな感じです...」
「そういえば、君の名前は?」
「普通はまず名前ですよね...
私の名前はシフィー=ジア=アイラスです」
「あなたの名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「俺の名前は
すると、シフィーは俺をじっと見つめた
「あなた...ティグシーから来ましたか?」
「ティグシーってなんだ?」
「ああ、すみません!向こうの世界の名前です」
俺は手を横に振って否定した
「違うぞ?俺は日本の生まれだぞ?」
シフィーは考えるように手を顎に置いてうーんと唸っていた
「じゃあ、この魔力はなんで...」
ん?今...魔力って言った?
すると、シフィーは座っている俺の前にばっと近寄ってきて顔を近づけた
「みいさん!私と一緒にティグシーに来てくれませんか?」
みいって...なんか動物みたいだな...まぁいいか
「なんで俺が?」
「あなたがあの人達の仲間じゃない事はわかったので少しは信用出来ますし...その魔力の事も気になりますし...」
「さっきも言ってたけど魔力ってなんなんだ?」
シフィーは俺の前で立ち上がった
「魔力は魔法を使うために必要なものです!あなたは魔力を持っています!だから、魔法を使えるようになります!」
「魔力があれば魔法が使えるのか?」
「はい!そうなんです!あなたはそれが異常に多いのです!」
シフィーは真っ直ぐにこちらを向いた
そして、右手を俺の前に差し出してきた
「私と一緒にティグシーに来てあなたの力を貸してくれませんか?」
今の世界に心残りがあるわけでもないし、異世界とかい行ってみたいし…
そして俺はその手をとった
「ああ、連れて行ってくれ!シフィー!」
シフィーは手を取って立ち上がった俺を見て微笑を浮かべた
その瞬間俺の視界は光に包まれていった……。
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