パラダイス
長谷嶋たける
あらすじ
二〇××年、地球人は有史以来初めて異星人文化と邂逅する。しかし彼らは肉体を持ってはおらず、機械の体に収まったAIだった。
ジュリコと名乗る宇宙からやってきたAIは地球人に対して、私の言うとおりにすれば、もっと効率の良い幸せな毎日を送ることができる、と提案する。
この提案をほとんどの国が無視をした。
しかしただ一つ受け入れた国がある、それが日本だった。
ジュリコの提案通り改革を実行した日本は、銀河を越えてくる程の科学力の恩恵をも受け、経済発展を遂げた。
これを面白くなく思う国達が団結して、日本は異星人と手を組み、地球を支配しようとしている、と言いがかりをつけて経済封鎖をしてしまう。
資源のない日本はすぐに食料、エネルギー不足に見舞われる。
ジュリコは何度も他の国と話し合ったが誤解は解けず、やむなく日本の人口を養うために他の国へ侵攻する。
世界対日本、本来成立しない戦争だが、ジュリコの科学力で作られた無人兵器は彼らと互角以上に戦うことができた。
無人兵器群にはある程度の集団に一人、トリガーと呼ばれる日本人がいる。
彼らトリガーは戦場で無人兵器の統制を行い、戦闘を行うかどうかの選択を任されていた。
そのトリガーの一人である持田昴は、重傷を負い戦場に取り残されたアメリカ兵、ルーシー・マリア・マシソンを助ける。彼は怪我の治療の間の彼女の世話を任され、日本の実家で共に三ヶ月間を過ごす。
最初は敵国に連れてこられて頑なだった彼女だったが、日本人と交流をするうちに打ち解けていく。
ルーシーの治療が終わり、アメリカに帰るその直前、昴は彼女に愛を告白する。 一緒に日本で生活しようと。しかし、彼女は昴を拒否する。
帰国したルーシーは、軍隊に復帰する。
その頃、世界一斉に日本を攻撃する作戦が進んでいた。
その核となるのはトリガーの暗殺。復隊したルーシーにトリガー持田昴の暗殺の命令が下る。
戸惑いながらも命令を拒否できないルーシーは、昴がトリガーとして赴任しているロシアへと向かう。
ロシア軍の策略により、ルーシーのいる部隊は戦場の真ん中に取り残される。
迫る日本守備隊、この守備隊のトリガーが誰だかわからない。
ルーシーは叫ぶ「モチダお願い攻撃を止めて」彼女の願いは届き、昴が彼女の部隊を助ける。
だが彼女の前に現れた彼は再びルーシーに尋ねる。
僕と一緒に日本に行かないか、と。
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