第10話 なんか凄い事になっちゃった
僕は真っ暗闇の中を彷徨っていた。そして見えないけど気配を感じる。
「だ、誰かいるの?」
恐る恐る声を掛けた。
『私の名は、リレイスタル。呪いの魔導士だ』
呪いだって!
『そう呼ばれていた』
「呪いの魔法なんてあるの?」
『魔眼だ』
「魔眼……」
何故か頷いた様な気がする。
『魔眼は、レベルが上がると大量にMPを必要とするようになった。私は、MPが3,000を超えていたが、それがごっそり魔眼に持って行かれていたのだ。その為、他の魔法を覚えてもMPが直ぐに枯渇する』
なぜこの人は語ってるんだろう?
って、ここどこ?
『ここは、君の意識の中だ』
「わぁ。読まれたって、僕の意識?」
『今私は、君の中にいる』
え~!!!!
もしかしてあれ? あの黒い煙?
『あれは煙ではない。魔素だ。私は、魔眼を封印した。これで自由だと思ったが、封印と共に私は死んだのだ。そして気がつけば君の中だ。驚いた。君には呪いは効かないのだな』
そう言えば、無効だっけ。
え? じゃもしそれがなかったら僕も呪われていたの?
『普通、不用意に開けるか?』
いやだって、MP3,000消費して開けるんだからいいものが入っているんだと思ったんだ。
ところで、魔眼って何が出来る魔法?
『……魔法のコピーだ。後は、魔素を見る事が出来る』
凄い。魔法をコピー出来るんだ。魔素の事はよくわかんないけど。
ねえ、それってもしかして僕も使えるの?
『たぶんな』
やったぁ!! 運の効果ここにあり――!
□
うん? あれ? 夢?
何か暗いけど今何時ぐらいかな?
「え……」
辺りを見渡して驚いた。
草原の端で林の入り口。明かりなんて全くないから真っ暗闇のはずなのに、朝より見づらいとはいえ、歩ける程度いや走れちゃうぐらい見える。
満天の星空だとはいえ、明るすぎない?
「そうだ、箱!」
僕は、暗闇の中真っ黒の箱を探し見つけた。
見えちゃったよ。発見できたけど……中身は空だ。
はぁ……。
変な夢は見ちゃうし、箱の中は空だし。ついてない。何が運の効果だ。
『……で……』
「っひ。今、どこからか声が」
そう言えばここモンスターがほとん出ないとはいえ、真夜中になるまで気を失っていたんだよね。今度、場所は選ばないとね。
『……懲りてないな』
「ぎゃ~!!」
やっぱり聞こえた!
『何を驚いている。リレイスタルだ』
「え……夢じゃなかったの?」
『夢ではない』
「か、鑑定!」
『マルリード』総合レベル:9
HP:350/350
MP:4,640/4,750
魔法:バフ/魔眼
簡易魔法:鑑定/錬金
リンク魔法:魔素空間
うん? 本当に覚えているけどなぜに魔法のところにあるんだ。
『私を取り込んだからだろう』
「取り込んだぁ!? ちょっと待って、リレイスタルさんっていつまで僕の中にいるの?」
『私に聞かれてもわからん』
わかんないのかよ!
うわーん。幽霊が僕の中にいるなんて!
『わめくな。別に害はないだろうが。それより魔素空間が使える様になったのだな。羨ましい』
「羨ましいって……リンク魔法? 覚えた記憶がない魔法がある。なんで?」
『たぶんだが、普通は一人一つの所持魔法だが、君は私を取り入れた事により二つになった。それがリンクして出来た魔法ではないのか?』
「それってお得って事?」
どれどれどんな魔法かな?
【魔素空間】レベル11
魔素を使い歪めて空間を作る事ができる。
◆消費MP:一日消費換算100
◆容量換算:2.2㎥分
◆魔素耐性がないモノは、魔素に染まります。
◆この魔法は、シークレット扱いとなり自身の鑑定以外では表示されない。
なんかわからないけど空間を作るのね。で、魔素耐性がないと染まるのね。って、意味わかんない。
『魔素とは空気と同じように漂っている魔力だ。わかりやすく言うと、MPの源だな。変換さえできれば、魔法を使い放題だ』
という事は、それをリレイスタルさんは出来なかったと。
『そういう事だ。魔眼には魔素耐性があるからその魔法さえ手に入ればよかったのだが』
へえ。魔素耐性があるんだ。
「え? じゃ僕も魔素耐性付いたの!?」
なんか凄い事になってきた!
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