本当にちょっと待って下さい

拝啓




地球にいる父さん、母さん




元気ですか?




貴方の息子は今、ピンチです!






「可愛い人、いい加減にお名前を言って下さい…」






貴方の息子は


只今異世界の無駄に弾む、広~いベッドに


夫(?)になったアランから押し倒されています!






………。元をたどれば


日本政府が金目当てでニート達を売り飛ばしたのがいけないのか


それとも貴方が5千万円で俺を売り飛ばしたのがいけないのか


それとも俺がニートなのがいけないのか……。


もう、頭がごちゃごちゃになってます






「………。可愛い人、私がいるのに考え事ですか?」




何だろう、背中に嫌な汗が………。


物理的に部屋の温度が急激に下がったような……。




「ア、アランドール様。あ、あのですね。」


「あっ、なんて可愛い声なんでしょ。可愛い人、私の事はアランとお呼び下さい」


「いやいや、無理ですって!貴方はこの国の公爵殿下!一般人に呼び捨てはダメでしょ!!」


「でも、貴方の夫になったのですから呼び捨てでも良いのですよ、可愛い人」




ダメだ!今の彼に言っても何でも可愛い人になってしまう!








この世界は、剣と魔法で出来ている


ギルドもある


精霊ももふもふの住人もいる


本当にオンラインや小説の中にいるみたいだ………。






………。


但し、全部男








もふもふは女性だから可愛いと思います!


何が悲しくて男のもふもふを見なければいけないのでしょうか!


精霊も男ってあり得ないでしょ!








あの場所からいつの間にか異世界に連れてこられた




あれよあれよと言っているうちに




ばかデカイお屋敷に連れてこられ




あれよあれよと言っているうちに




ベッドの上に押し倒されています←今ここ




解せぬ




ちなみに、その間床には足を着けていません!


お姫様抱っこで連れてこられできます!


やってね!


ちなみに俺の体重は75㎏、身長175㎝、30歳のおっさんです


25歳まで社畜で働き、人間関係でダウン


5年ニートしています




アラン様


本名 アランドール・B・トリエルー 32歳


身長190㎝以上 銀色の髪に葵の瞳 甘い声に美形


この国カナリードールの公爵殿下で宰相








そんなお偉いさんが何故か俺を選ぶ!




解せぬ




「とっ、とりあえず何で俺なのですか!」




あの場所にはニートが集まっていたはず!




「………?可愛い人がいたから?」




………。答えになってません!


マジで気絶しそうです










はぁ!


今気絶したら食べられる‼


物理的に食べられる‼


気を強く持て俺!






「冗談ですよ、可愛い人」




アランドール様の熱に帯びた満面の笑顔


もう、お腹いっぱいです(泣き)






「この世界は、精霊がいるんですよ」




はい!知ってます!


あの後ろにいる小さな人形見たいな無駄に顔が整っている人(?)でしょ!


この世界に来たときは何も持ってなかったと思うのですが、何故かその腕には、俺の分身とも言える小さな人形を抱えて頬擦りしてますが何か?


つうか、俺の分身!?


何故俺の分身!?


凄く嫌な顔して逃げようとしています!


つうか逃げて‼マジでヤバそうなので逃げて‼




「この世界の人は必ず精霊と共に生まれて来ます


そして精霊が選ぶのです」


アランドール様は、俺の顔をその大きな手で撫で始めた








何を?








「……。最愛なる人をですよ可愛い人」




アランドール様はそう言いながら、頬を染めて口透けをした








$+¥&☆♪^*=+¥☆〒#&♯!


























拝啓




地球にいる父さん、母さん




貴方の息子は只今嫁になりました




来年の春辺りには多分孫を連れて行けそうです




本当にどうしてこうなった(泣き)




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