ちょ、ちょっと待って下さい

本山

ちょ、ちょっと待って下さい!

「ニート」は


「NEET(Not in Employment、 Education orTraining)」の日本語読みをしたもの。


そのまま直訳すると


「就業、就学、 職業訓練のいずれもしていない人」となる。


その定義は「15歳から34歳の非労働力人口(状況をかんがみて求職活動をしていない人など)のうち、家事も通学もしていない者」となっている。求職活動と職業訓練はまったくの同一ではないが、当事者の意志としてはほぼ同じであり、「若年無業者」と「ニート」は大体同列のものと見なして良い。


若年層(15-24歳)ではピーク時の2002年と比べて6万人減少。


しかし25-34歳は同年比較で1万人減少に留まる。


直近2016年のニート総数は57万人で前年比プラス1万人若年層の人口そのものが減少していることを考慮すると、若年層の若年無業者数が減少傾向にあるのは当然の話といえる。


一方でその上の世代における人数がほぼ横ばいで推移している状況は、あまり好ましい話では無い。




また2001年から2002年にかけて有意に若年無業者数が増加しているが、この原因は不明。


白書にもそれに関する分析は無い(ニートに近しい概念として若年無業者が白書に登場したのは2005年版・2004年分、「「ニート」に近い概念である若年無業者」として文言が明確に記されたのは2006年版・2005年分以降)。


タイミングも合わせ、2002年度から開始された学校完全週5日制との関連を指摘する論文も見受けられるが、因果関係までは分からない。










20××年




突如日本列島に異世界のゲートが出現した




異世界からの要求はただ一つだった




日本政府は、この要求をのむほか無かった


事情があったからだ




政府関係者は考えた


増え過ぎたこの「ニート」使えないかと


















薄暗い広いホールに俺らは座っていた


って言うより椅子に拘束されている


口には縄があり、しゃべることが出来ない


回りからはうめき声が仕切りに聞こえる






俺が何をしたと言うのだ






ただ、ニートというだけで、家の中でいただけなのに……


いきなり黒服の男達が家の中に入って来て、無理やり拘束、目隠しされてこの場所に連れてこられた




ガタガタと震えが止まらない


涙が止まらない


俺が、俺らが何をしたと言うのだ!












「………。能書きはそろそろ良いと思いますので、結論だけ伝えます。」




マイク越しにホールに響く男の声


いよいよ何かが起きようとしている










「あなた方は異世界に行って貰います。」








…………。はぁ?






「今から皆様にはパートナーが付きます」






…………。はぁ?




「但し、皆様が選ぶのではなく、異世界の方々があなた方を選びます」






…………。ちょ、ちょっと待って




「異世界に行けば、剣と魔法の世界。皆様がやられているゲームや小説と同じ世界です」




ちょ、ちょっと待って下さい!


何んですか、その美味しい展開!




周りからは歓喜に似た唸り声が聴こえてきた




「ギルドに入るのもよし


ほのぼのライフを送るものよし


無双をするのもよし


………家庭に入るのもよし。ボソッ」






うおおおおおおおお!




神様有難うございます!






「さて、皆様!お待たせいたしました!パートナー選びを行います!」






ホールに響く男の声




ワクワクが止まらない俺達




会場は興奮の渦を起こしていた






「それではパートナー達の入場です!」




会場が明るくなり、俺達は映画館のような所に拘束されていた


首だけは固定されておらず、周りを見ることが出来た




壇上の上にはリア充達がぞろぞろと上がっている


美形、美男………。


何故?あの人達が俺達のパートナー?


マジですか?


当て馬ですか俺達?




「こちらの人は、異世界よりお越しいただいた方々です」




なんだろう、嫌な予感がするんだが




「異世界では、地位も名誉もある方々です!」




何でそんな人達が俺達に用が………




「では、異世界の方々、パートナーを選んで下さい!」




ぞろぞろと壇上から降りてくる男達


何故かその顔はうっすらと赤くなっている




なんだろう、凄く嫌な予感が………


その時、1人の美形が俺の前に来た




「はじめまして、異世界の人。


私の名前はアラン。


あなたのパートナーになってもよろしいでしょうか?」




声も体格も地位も名誉も何もかも優れた美形の男が俺の前に来た


どうしてか震えが止まらない




「あっ、何って可愛い人なんだろう。」




アランは直ぐに拘束している俺の左手を握り閉めた


その顔は興奮が見栄隠れしている




「大丈夫ですからね。そんなに怯えなくても」




優しい声。それでいて、熱を帯びている声


背中に嫌な汗が流れ出してきた




「ああ、そんなに泣いていたら、可愛いあなたの目が溶けてしまいます」




アランは片手で俺の顔を撫で始めた




「本当になんって可愛い人なんだろう


もう少し我慢来て下さいね」






「皆様、パートナーの方々は決まりましたでしょうか?」




ホールに響く男の声


周りの興奮はピークを達しようとしている




動く首で周りを見ると、拘束された人々の周りには異世界の男達がいる


どれも満面の笑顔で、熱に帯びた顔をしている




……………。




「では、パートナーになる方に証をお渡し下さい!」




ホールに響く男の声


そして歓喜にわく声がホールに響く




「さぁ、可愛い人。私の証を受け止めて下さいね」




アランは両手で俺の左手に何かをはめた




動く首でそれを確認するとそこには何故か指輪がはまっていた




それも薬指に………。






はああああ?






「おめでとうございます!これで晴れて皆様にはパートナーができました。先ほど異世界の皆様にはご説明さて頂いたように、こちらにいらっしゃいます方々は、我が国ではニートと呼ばれていられている方々です。異世界に何も抵抗なく、貴方の最高のパートナーになるでしょ」






…………。


アランはニコニコと笑顔を俺に向けて来る


周りは興奮の渦にいるようだか、何故か素直に喜べない自分がいる




「ニートの皆様に最後にお伝えしなければならない事があります」




ホールに響く男の声




「皆様が今から行く異世界には、女性がいません」




………。はぁ?




「皆様の隣にいらっしゃい方々は、貴方のパートナー。つまり夫になる方達です」




…………。はぁ?




「その世界では、男同士の結婚が当たり前です


何でも、万年の嫁不足で、この世界にアクセスしてきたぐらいです」






…………。はぁ?


隣にいるアランはとろけるような視線を俺に向けてくる




「嫁不足!かといって女性は受け付けない!悩みましたよ私達も。」






ちょ、ちょっと…




「そこで思い立ちました!増え過ぎているニートの方々を異世界に行って貰おうと!」






ちょ、ちょっと待って




「彼方の方々は嫁に来て頂ける人達がいるのなら、国の借金もなんとかしていたそうです!」




ちょっと待って下さい!




「安心して下さい!貴方の家族もお話させて頂き、お一人様5000万で笑顔で送り出してくれました!」




まさかの家族買収済み!?






「ちなみに、パートナーの方々からはめて頂いた指輪は、追跡機能があり、離れていても場所が直ぐに分かります。」




俺は左手にはまっている指輪を見て、アランの顔を見た


アランはニコニコと笑顔を見せる




「そしてその指輪は一度はめると二度と外す事は有りません。良かったですね皆さん!」






ちょ、ちょっと待って下さい!




「では皆様お幸せに!」




………。


イヤだーーー!






ホールに響く俺達のうめき声


異世界の人の歓喜の声




「では行きましょうね、可愛い人」




振り向くとアランの満面の笑顔




「これから毎日愛してあげますね。可愛い奥さん!」




イヤだーーーーーー!


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