連続性の不在
たはしかよきあし
1
「センパイはさあ」カナメは言った。
「センパイはさあ、高校卒業したらどーすんの? 就職?」
「いや、大学」
「え、すご」
「すごいっしょ。今、受験生。猛勉強中なワケよ、オレ」
「うっそ、似合わん」
カナメはからからと笑う。
ミナトは不服そうだった。
「お前も行けば? 今からベンキョーすれば間に合うんじゃね?」
「ムリムリ。あーし、そういうのマジムリなんで」
「ま、そうよな」
カナメに不服の色はなかった。
「まあでも、センパイと同じ大学なら、ちょっと考えるかも」
「は?」
「センパイと一緒なら、大学も楽しいっしょ、多分」
「大学でもお前とダベんのかよ」
「いいじゃんすか。腐れ縁。あーし、友達いないし」
カナメは階段に腰を下ろした。
「大学でも、こうやってぼっち同士、昼飯しましょーよ。楽しいっすよ、多分」
カナメは屈託もなく笑った。
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