第148話 落とし穴の先で
私が洞窟内の落とし穴に落ち、地面に叩きつけられた時。私にも何層分落下したのか、まったく分からない状態でした。
とりあえず、念のためにアイテムボックスから松明を取り出して、先へと進むことに決めました。
もちろん洞窟の落とし穴に落ちたことは、すぐに皆さんにメッセージで伝えました。『自力で脱出するので正規ルートで進んできて欲しい』と。
自力で脱出するとメッセージで言ってしまったものの、進んでも進んでも出口は見当たりません。そうして、真っ暗で岩だらけのごつごつした道を進むこと15分。
ユーカさんやルビアちゃん、テツさん、マサルさんの4人とも合流できたということでマサミさんとワカナちゃんも加えた6人で洞窟に足を踏み入れたとのことです。
それもメッセージで教えて頂いたのですが、クラン内でメッセージをやり取りすることでお互いの状況を連絡し合えるのは本当に便利すぎるのですよ……!
そんなワカナちゃんからの連絡から、さらに15分。私が落とし穴に落ちてから30分が経過しました。イベントの方は残り1時間。今の時点で集まったオーブは、マサミさんが見つけた1個とワカナちゃんが洞窟の1階で見つけた1個。
そして、ワカナちゃんたちが地下4階の宝箱で見つけた1個を合わせた、合計3個。
私の方は上へと続く階段を見つけられず、焦りに焦っていました。そんな焦りには私自身は落とし穴に落ちただけでオーブの1つも見つけていないというところからも来ているのですよ。
とはいえ、焦って道中に落ちているオーブを見落としてはいけないので、慌てず慎重に先へと進み続けています。
そうして暗闇を進み始めてから40分ほどが経過した頃。目の前に私の身長の5倍はあろうかという漆黒の扉が。
その扉のすぐ近くには、上へと続く階段が続いていました。皆さんとの合流を考えれば、階段を上がる方が良いのでしょう。ですが、あえてここは扉の向こうへと進むことにします!
私は体力ゲージや魔力ゲージが満タンなのを確認し、勇気を振り絞って扉を押しました。
すると、扉がゴゴゴゴゴゴゴッと重い音と振動を響かせながら、ゆっくりと開いたのです。
そうして開いた扉の先には、地面に漆黒の剣を突き刺し、その柄頭に両手を重ねながら立っている黒い鎧に包んだ騎士の姿がありました。
そんな漆黒の騎士さんの横には『暗黒騎士ベルベット』と表示されていました。
私がそんな暗黒騎士ベルベットさんに近づくと、暗黒騎士ベルベットさんは地面に突き刺した剣を引き抜き、切っ先を地面へと向ける形で構えられました。
その際に描かれる剣の軌跡は美しいものがありましたが、見惚れている場合ではありません!
どうやら戦闘のようなので、こうなったからには何としても倒さなければ!
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